ライフ

免疫細胞の70%が腸に集中 免疫力アップのカギは腸の健康

 年末年始、ノロウイルス集団感染の報告が相次いだ。またインフルエンザの流行が例年通りなら、これから2月にかけて本格化。すでに山梨県の病院や静岡県の老人ホームなどでは、集団感染が発生している。マスクや手洗い・うがいといった定番の感染症対策の他、多くの人はどういった予防対策をしているのだろうか?

 健康管理に意識の高い人の情報を探したところ、この季節、健康にとりわけナーバスな受験生の子を持つ親のアンケート結果が出ていた。2012年12月発表の日本能率協会総合研究所が全国の受験生(小学6年生・中学3年生・高校3年生)の親1000名を対象に行なった、「受験生の体調管理に関する調査」によると、約7割の親が受験生の子の体調管理に気を配っており、さらに「子供のインフルエンザ・風邪対策に利用したいもの」として、3人に1人(33.6%)が「免疫力を向上させる食品」と回答。

 同調査で「免疫力を向上させる効果・効能があることを知っている食品」を聞いたところ、「ヨーグルト・乳酸菌飲料」が85.4%で最も高く、次いで「緑茶」52.3%、「ニンニク」42.5%という結果になった。また「受験生の子のために興味がある食品」でも、第1位が「ヨーグルト・乳酸菌飲料」で67.8%、第2位は「緑茶」の31.4%、第3位には「バナナ」30.0%がランクインしている。

 ヨーグルトや乳酸菌飲料に興味を持った理由としては、「ニュースで『R-1』というヨーグルトを食べ続けると、インフルエンザにかかりにくいというのを観たことがあり、 興味があった」(中学3年生の母親・40代)、「手軽に入手でき、価格も安いので、続けられるから」(小学6年生の母親・40代)、「免疫力強化だけでなく、アレルギー症状を緩和するから」(高校3年生の父親・50代)といったコメントに加え、「家族全員がすでに毎日食べているから」と、乳酸菌の摂取が習慣化している家庭も多かった。

 最近は腸内環境を整える作用に加えて、さらなる免疫力向上を期待できる「R-1乳酸菌」を使用したヨーグルトなど、プラスアルファの機能をもった商品も登場し、人気を集めている。

■なぜヨーグルトで免疫力がアップするのか

 免疫学の第一人者・順天堂大学医学部の奥村康特任教授に、“そもそも免疫とは何か”を解説してもらった。
「簡単にいうと免疫とは、体に悪さをするウイルスなどの外敵を排除して、健康を保つためのシステムのことです。

 人間の体には、白血球やT細胞、B細胞など、さまざまなタイプの免疫細胞があり、それぞれが得意分野をもって外敵と闘っています。その中で、インフルエンザウイルスなどに感染した細胞をいち早く見つけて、破壊するのが白血球の1種であるNK(ナチュラルキラー)細胞なのです」

 NK細胞をはじめとする、免疫細胞の70%が集中しているのが腸。この腸内環境のバランスが崩れ、悪玉菌が優勢になると、感染症だけでなく、がんやアレルギー、生活習慣病など、さまざまな不調の原因になることもわかっている。つまり腸を健康に保つことが、免疫力アップのカギを握っているのだ。

「乳酸菌は腸粘膜をほどよく刺激して、免疫細胞を活性化させるはたらきがあります。ただし、乳酸菌は一定期間しか腸にとどまることはできませんから、定期的に摂り続けることが大切なのです」(奥村教授)

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン