ビジネス

【日本株週間見通し】トヨタ株の強さ見る限り外国人買い継続

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月4日~2月8日の動きを振り返りつつ、2月12日~2月15日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均はやや波乱含みの展開に。週初はパナソニック<6752>がストップ高をつけるなど、決算通過後の出遅れ修正が強まるなか、日経平均は連日で昨年来高値を更新して始まった。その後、スペイン、イタリアの国債利回り上昇など、南欧政局の混乱を背景とした欧州不安が再燃する中、利益確定の流れに向かう局面もみられた。

 しかし、6日には日銀の白川方明総裁の突然の辞任発表によって為替市場では円安基調が強まり、大規模な金融緩和が加速するとの思惑から、日経平均は大幅に上昇。2010年4月5日の戻り高値(11408.17円)を突破し、一時11498.42円と2008年9月以来の水準を回復。

 翌7日は大幅上昇の反動となったが、出来高は51億株と、2011年3月15日の57億株に次ぐ大商いとなるなど、利益確定が先行する中で、これを吸収する需要の大きさがみられた。しかし、週末8日は大幅に下落。オプションSQに絡んだ商いが1銘柄辺り大幅な売り越しとなった影響から、波乱の展開となった。とはいえ、利益確定の流れが強まるなか、トヨタ<7203>は昨年来高値を更新しており、海外勢による資金流入は継続。

 週末のオプションSQに絡んだ商いによってハシゴを外された感はあるが、日経平均の11500円接近による達成感やテクニカル的な過熱感が警戒されていたなかでは、ちょうど良い一服といったところか。決算に対して過剰な反応も見られ始めていたこともあり、手掛けづらさも出てきたところであった。

 為替相場もやや円高に振れる格好だったが、どちらかというと株価の調整に為替が反応している状況であろう。先週はトヨタ<7203>が決算発表で材料出尽くしとはならず、その後も高値を更新している需給状況をみれば、弱気になるところではなさそうだ。

 今週は13~14日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。連続の追加緩和が途切れる可能性から、一先ず利益確定の動きも意識されていたが、白川総裁の突然の辞任発表によって、追加緩和の見送りは織り込み済みに。反対に15~16日のG20財務大臣・中央銀行総裁会合や、17日の週に予定されている日米首脳会談後にも行われる次期体制へ焦点が移ることになる。

 G20では「アベノミクス」を各国に説明する政府レベルの初の国際会合となり、日本は世界の注目を集めることになろう。「日本発の通貨安競争」も議論されるとみられ、麻生財務相の発言が注目される。海外の支持を得るようだと、ドル・円が3月末にも100円台乗せへの思惑が一段と現実味を帯びてきそうだ。

 一方、先週のニコン<7731>のストップ安や週末のソニー<6758>荒い値動きなどを受けて、やや神経質になりやすいだろう。資金が集中する分、逃げ足も速く、乱高下の動きが目立ち始めている。週末のオプションSQに絡んだ波乱展開で少なからず需給が悪化した面も警戒される。

 そのほか、スペイン、イタリアなど欧州には経済危機が再燃するリスクがある。G20や日米首脳会談などを見極めたいとする流れ、次期日銀総裁人事に向けた動きを見極めたいとのムードもあり、利食いが先行しやすいこう着感の強い相場展開となる可能性もある。

 とはいえ、トヨタの強さを見る限りでは海外勢による日本市場への資金流入は続くであろう。安倍政権がデフレ脱却に舵をきったことで、日本が世界経済の回復をけん引する位置付けとなるなか、利食いに対して強力な押し目買いの動きがみられそうである。

関連記事

トピックス

東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
渡邊渚さんが綴る「PTSDになった後に気づいたワーク・ライフ・バランスの大切さ」「トップの人間が価値観を他者に押しつけないで…」
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
ルーヴル美術館での世紀の強奪事件は瞬く間に世界を駆け巡った(Facebook、HPより)
《顔を隠した窃盗団4人組》ルーブル美術館から総額155億円を盗んだ“緊迫の4分間”と路上に転がっていた“1354個のダイヤ輝く王冠”、地元紙は「アルセーヌ・ルパンに触発されたのだろう」
NEWSポストセブン
活動休止状態が続いている米倉涼子
《自己肯定感が低いタイプ》米倉涼子、周囲が案じていた“イメージと異なる素顔”…「自分を追い込みすぎてしまう」
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン
“ムッシュ”こと坂井宏行さんにインタビュー(時事通信フォト)
《僕が店を辞めたいわけじゃない》『料理の鉄人』フレンチの坂井宏行が明かした人気レストラン「ラ・ロシェル南青山」の閉店理由、12月末に26年の歴史に幕
NEWSポストセブン
森下千里衆院議員(共同通信社)
《四つん這いで腰を反らす女豹ポーズに定評》元グラドル・森下千里氏「政治家になりたいなんて聞いたことがない」実親も驚いた大胆転身エピソード【初の政務三役就任】
NEWSポストセブン
ナイフで切りつけられて亡くなったウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(Instagramより)
《19年ぶりに“死刑復活”の兆し》「突然ナイフを取り出し、背後から喉元を複数回刺した」米・戦火から逃れたウクライナ女性(23)刺殺事件、トランプ大統領が極刑求める
NEWSポストセブン
『酒のツマミになる話』に出演する大悟(時事通信フォト)
『酒のツマミになる話』が急遽差し替え、千鳥・大悟の“ハロウィンコスプレ”にフジ幹部が「局の事情を鑑みて…」《放送直前に混乱》
NEWSポストセブン
『週刊文春』によって密会が報じられた、バレーボール男子日本代表・高橋藍と人気セクシー女優・河北彩伽(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
「近いところから話が漏れたんじゃ…」バレー男子・高橋藍「本命交際」報道で本人が気にする“ほかの女性”との密会写真
NEWSポストセブン