芸能

たけし 生放送でペニオク騒動言及はタレント本人への配慮

「きょうはペニーオークションが来てる」──。今年9月、ビートたけし氏は生放送中に、ペニオク詐欺騒動で問題となったタレントを前に、こう言い放った。この発言は大きな波紋を呼び、スポーツ紙などでも大きく取り上げられたが、その真意はどこにあったのか。12月2日に発売される新刊『ヒンシュクの達人』(小学館新書)の中で、たけし氏はこのように解説している。

 * * *
「何で、ビートたけしはあんなに言いたい放題・やりたい放題できるんだ」ってよく言われる。こないだ(2013年9月)のTBSの『オールスター感謝祭』だって大変だったよな。いわゆる「ペニオク詐欺」で問題になったタレントが番組に出てるのに「きょうはペニーオークションが来てる」ってオイラが突然生放送で言い始めたもんだから、もうスタジオは大騒ぎだよ。

 やっぱりオイラには「正義」とか「正論」みたいなのは向いてない。こうやって、顰蹙モノのバカを言ったりしてるほうが性に合ってるんだよな。だけど、オイラの顰蹙発言にはそれなりの計算というか、考えもある。

 ペニオクの件を本人の前で言っちゃったことを「とんでもない」って言う人もいるけど、本当にそうなのか。「それは言わない約束」ってことで、勝手にタブーにしちゃうほうが、かえって本人には辛いんじゃないだろうか。

 オイラがやったみたいに、一度「笑い」にして晒し者になったほうが楽なんじゃないか。それが「禊」になるんだよ。そのまま知らんぷりしてたら、そいつらは昔のスキャンダルでずっと悩まなきゃいけなくなる。そもそも芸人、タレントなんてのは「晒し者」になることでカネをもらってる。だから自分の情けない姿やカッコ悪い姿を客が見たいと思うんなら、時にはあえてそういう自分を晒さなきゃいけないという因果な商売なんだよ。

 スキャンダルを起こした人たちを、世間の批判に追い打ちをかけていじめてやろうなんて気はさらさらない。弱ってる相手、弱い立場の相手をかさにかかっていじめるのは、とにかく下品だ。オイラなんてスネに傷ある前科者で、サンザン悪いことをやらかしてきたロクデナシなんだからね。

 オイラ自身、これまで世間から顰蹙を買いまくってきた身だ。だからこそ「顰蹙の買い方」について、他の人よりよく考えてきたんじゃないかと思う。同じ悪口や暴言を言うにしたって、言い方やタイミング次第で、それは笑いや救いに変わる。言いたい放題だからって、それは決して何も考えずに思ったことをぶちまけているわけじゃない。まァ、大げさに言えば「武器としての顰蹙」とでもいうのかな。いつの間にか、そういったものを身につけられるようになってきたのかもしれない。

※ビートたけし/著『ヒンシュクの達人』(小学館新書)より

関連記事

トピックス

群馬県前橋市の小川晶前市長(共同通信社)
「再選させるぞ!させるぞ!させるぞ!させるぞ!」前橋市“ラブホ通い詰め”小川前市長が支援者集会に参加して涙の演説、参加者は「市長はバッチバチにやる気満々でしたよ」
NEWSポストセブン
ネットテレビ局「ABEMA」のアナウンサー・瀧山あかね(Instagramより)
〈よく見るとなにか見える…〉〈最高の丸み〉ABEMAアナ・瀧山あかねの”ぴったりニット”に絶賛の声 本人が明かす美ボディ秘訣は「2025年トレンド料理」
NEWSポストセブン
千葉大学看護学部創立50周年の式典に出席された愛子さま(2025年12月14日、撮影/JMPA)
《雅子さまの定番カラーをチョイス》愛子さま、“主役”に寄り添うネイビーとホワイトのバイカラーコーデで式典に出席 ブレードの装飾で立体感も
NEWSポストセブン
審査員として厳しく丁寧な講評をしていた粗品(THE W公式Xより)
《「脳みそが足りてへん」と酷評も》粗品、女性芸人たちへの辛口審査に賛否 臨床心理士が注目した番組冒頭での発言「女やから…」
NEWSポストセブン
12月9日に62歳のお誕生日を迎えられた雅子さま(時事通信フォト)
《メタリックに輝く雅子さま》62歳のお誕生日で見せたペールブルーの「圧巻の装い」、シルバーの輝きが示した“調和”への希い
NEWSポストセブン
宮崎あおい
《主演・大泉洋を食った?》『ちょっとだけエスパー』で13年ぶり民放連ドラ出演の宮崎あおい、芸歴36年目のキャリアと40歳国民的女優の“今” 
NEWSポストセブン
日本にも「ディープステート」が存在すると指摘する佐藤優氏
佐藤優氏が明かす日本における「ディープステート」の存在 政治家でも官僚でもなく政府の意思決定に関わる人たち、自らもその一員として「北方領土二島返還案」に関与と告白
週刊ポスト
大谷翔平選手と妻・真美子さん
《チョビ髭の大谷翔平がハワイに》真美子さんの誕生日に訪れた「リゾートエリア」…不動産ブローカーのインスタにアップされた「短パン・サンダル姿」
NEWSポストセブン
会社の事務所内で女性を刺したとして中国籍のリュウ・カ容疑者が逮捕された(右・千葉県警察HPより)
《いすみ市・同僚女性を社内で刺殺》中国籍のリュウ・カ容疑者が起こしていた“近隣刃物トラブル”「ナイフを手に私を見下ろして…」「窓のアルミシート、不気味だよね」
NEWSポストセブン
石原さとみ(プロフィール写真)
《ベビーカーを押す幸せシーンも》石原さとみのエリート夫が“1200億円MBO”ビジネス…外資系金融で上位1%に上り詰めた“華麗なる経歴”「年収は億超えか」
NEWSポストセブン
神田沙也加さんはその短い生涯の幕を閉じた
《このタイミングで…》神田沙也加さん命日の直前に元恋人俳優がSNSで“ホストデビュー”を報告、松田聖子は「12月18日」を偲ぶ日に
NEWSポストセブン
高羽悟さんが向き合った「殺された妻の血痕の拭き取り」とは
「なんで自分が…」名古屋主婦殺人事件の遺族が「殺された妻の血痕」を拭き取り続けた年末年始の4日間…警察から「清掃業者も紹介してもらえず」の事情