国内

ブラジル人が多く住む三重県伊賀市 ゴミ分別で揉め事表面化

 未曾有の高齢化社会化到来に伴う労働人口不足を解消するため、自民党は本格的な移民の受け入れ策の検討に入った。しかし中国人、韓国人はもとより、日本にはそれぞれ約20万人のフィリピン人、ブラジル人、6万人以上のベトナム人、約5万人のペルー人などが住んでいる。彼らが数多く集まって暮らすエリアでは残念ながらトラブルが起きているのも事実だ。

 人口9万5000人の町に約300人のパキスタン人が住む富山県射水(いみず)市。彼らの多くが経営、あるいは勤める中古車販売店は国道8号線沿いに密集している。この地域で毎週、不法投棄や迷惑駐車の防止を呼びかけて防犯活動を行なっている民間パトロール隊の串田伸男氏が言う。

「多いのは路上駐車など車関連のトラブル。彼らはナンバーのない中古車で道路を走行することもあり、そこでもし事故を起こしたら、被害者は保険が使えずやられ損になってしまう」

 射水市に外国人が増え始めたのは2000年頃から。ブラジル人や中国人、ロシア人も多く、人口に占める外国人の割合が富山県内で最も高い(約1800人)。もちろんすべてではないが、中にはルールを守らなかったり地域の習慣を無視したりする者がいる。

「一部の外国人は町内会費を納めない。支払いを求めても、『儲かっていないから』と言い訳する。日本人に危害は加えないが、カネの貸し借りなどで外国人同士がもめる。言葉がわからないので、偶然トラブルに遭遇して巻き込まれるのが恐い。とくに女性や子供が心配です」(串田氏)

 狭い地域に外国人が多数入ることにより、それまでの町の姿は変わり始める。最初に表面化するのは日常の些細な揉め事だ。ブラジル人を中心に約4200人の外国人が住む三重県伊賀市で、彼らのサポートなどを行なうNPO法人「伊賀の伝丸(つたまる)」の和田京子代表は「ゴミ出しのトラブル」を指摘する。

「外国人の多くは日本のゴミ分別の細かさについていけません。少しでも間違っていると収集されず、町内の組長さんが『また外人さんか!』と注意して大事になりがちです。彼らにとって清掃やゴミ収集は専業者(スイーパー)がするもので、自分とは関係ない仕事という認識があるため、掃除当番など町内の決まりを無視することも多い」

※SAPIO2014年6月号

関連キーワード

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン