サッカー日本代表にとって20日に行なわれるW杯グループリーグ・ギリシャ戦は最大にして後がない重要な試合になる。予選突破のためには絶対に落とせないこの試合のポイントとなるのは、いかに攻撃的に相手に挑むかだ。「堅守」を売りにするチームをどのように崩すか。日本の攻撃力を高め、圧勝するための秘策を公開する。
ギリシャ代表のスタイルは、伝統的な「堅守速攻」である。平均身長184センチという長身と屈強なディフェンス陣で鉄壁の守りを敷き、相手に得点を許さない。W杯欧州予選では10試合中8試合を完封。プレーオフも合わせた12試合で、わずか6失点に抑えた。
その分厚い守りでボールを奪うと、サイドへロングパスを通し、一気にカウンター攻撃が始まる。37歳、大ベテランの司令塔・カラグーニスを中継し、ボールを受けたFW陣が少ないチャンスをモノにするというパターンだ。
しかしこのシステム相手であれば、「日本には十分勝機がある」と語るのは、サッカーの戦術に詳しいスポーツジャーナリストの西部謙司氏である。
「確かに守備は堅いが、言い換えれば攻撃面は大して怖いチームではありません。ギリシャは1-0でしか勝てないチーム。自分たちが点を取られた途端にゲームプランが崩壊する。日本の勝機はそこにありますね」
つまり日本がギリシャに勝つポイントは、まずは先制点。世界レベルの守備を破り、早い時間帯に点を取ることが第一条件となる。
しかも相手の攻撃は決して強くはない。日本が先制点を奪えばディフェンスに多少目を瞑っても、オフェンスに注力し、大量得点を狙いに行くことが可能だ。
勝つよりも負けないことが重視される予選リーグでは得失点差が大きなファクターとなる。特に第3戦目のコロンビアはグループ最強との呼び声が高いうえ、日本は過去のW杯で一度も南米勢に勝ったことがなく、かなりの苦戦が予想される。それを考えても、ギリシャ相手に求められる結果は、ズバリ4-0。大量得点で勝利し、有利な立場でコロンビア戦に臨まなければならない。
※週刊ポスト2014年6月27日号