今年6月に行われたソウル中心部でのデモの様子(共同通信社)
高市早苗首相が台湾有事に関し、「存立危機事態になり得る」とした国会答弁をめぐり、国交に影響が出始めている。
これまで過去9回にわたって行われてきた、外交の一大イベント・日中韓首脳会議の年内開催の見送りが決定。韓国・ソウルで今月14日に開催されるはずだった日中韓保健相会合に、中国側が閣僚級ではなく”事務方レベル”を送ることも明らかになった。理由は明示されていないが、いずれも高市総理の発言が影響したものとみられている。
日中関係が冷え込むなか、韓国でも対中関係を煽りかねない、あることが社会問題になっている。
「China Out!(中国は出て行け)」「中国共産党を拒否せよ!」
いまソウル市内で毎週末のように、韓国国旗や星条旗を掲げて叫ぶデモ隊の姿が見られるのだ。
こうした反中国デモは2025年に入り急増した。動画共有サイトや中国版SNS上でデモ隊が中国人に対して差別的な罵声を浴びせる様子が拡散されると、韓国内でも物議を醸した。日々、熱を帯びる韓国の反中デモには、どんな背景があるのか。【前後編の前編】
