ビジネス

相手が不快ならセクハラ成立 「どこに住んでるの?」がNGも

 東京都議会で自民党・鈴木章浩議員が女性議員に浴びせた“セクハラやじ”の醜態は、海外メディアに「日本では職場の性差別が当たり前」と報じられるなど、大きな問題に発展してしまった。

「セクシャル・ハラスメント」という言葉が流行語大賞に選ばれてから四半世紀。女性の尊厳にかかわる結婚、出産、妊娠といった話題に踏み込んだ誹謗中傷がセクハラの対象になることぐらい、さすがに多くの男性が認識しているはず。鈴木議員の弁明が擁護されないのも当然だ。

 だが、それ以外に職場でどんな言動をしたら「アウト」になるのか、判断基準が難しいケースは多々ある。労働問題に詳しい弁護士がいう。

「セクハラとは性的な言動による嫌がらせを指しますが、該当基準は<相手の意に反しているかどうか>にあるので、たとえ悪気がない言動でも相手が不快な思いをしたら、成立してしまうケースは多い」

 特定社会保険労務士の稲毛由佳さんが、実際に女性社員が訴えたセクハラ相談事例を挙げてくれた(以下)。これを見たら、「そんなことまで?」と青ざめる男性上司も多いはずだ。

●「○○ちゃん」など女性を下の名前で呼ぶ。あだ名、呼び捨て、「お前」もダメ
●「どこに住んでいるの?」「夏休みはどうするの?」とプライベートに踏み込むのはNG
●仕事の用件があっても所定時間外に電話をしたりプライベートメールを送ったりしてはいけない
●女性に面と向かって言わなくても男性同士の噂話が漏れてしまったらアウト
●「髪の毛切ったんだね」などの褒め言葉も、ときに不快な印象を与える

「極端にいうと、職場に少しでもプライベートを持ち込み、仕事とは無関係な個人の関心事を口に出した途端に、なんでもセクハラに該当してしまう可能性があります。

 ひどい事例だと、男性社員がパソコンに水着姿のアイドルグループのスクリーンセーバーを入れただけで不快な思いをする女性がいたり、書類を渡そうとしただけで『(距離が)近い、ウザい』と嫌がられたりする場合もあります」(稲毛さん)

 さらに、夏本番を迎える季節にはこんなケースも発生するという。

「環境省が推奨するクールビズの方針に倣って<女性も涼しげな髪型と化粧で>との通知を出した会社でセクハラ議論になったことがあります。また、薄着でスカート丈も短い季節、お得意先の女性をレディファーストで先に通したら『階段で覗かれた』と、あらぬ疑いをかけられた人もいました」(同前)

関連キーワード

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン