国内

厚労省 年金納付率高めるため免除者を増やせと指示していた

 年金崩壊が政府の手によって進められている。厚生労働省は「納付率を高める」という目標を達成するために、何と「免除者数を増やせ」というとんでもない指示を出していた。どんな手口で年金制度を骨抜きにしているか、その現場を見ていく。

 この春、都内に住む30代男性Aさんの自宅に、突然「その人」はやってきた。マンションのインターホンが鳴る。女性の声。

「年金のことでお話ししたいことがあるのですが、よろしいでしょうか」

 自営業のAさんは現在のマンションに引っ越してから2年弱、仕事が忙しくなったこともあって国民年金の保険料を支払っていなかった。きっとその件だろう。Aさんはすぐにピンと来たという。

 玄関先で面会した60歳前後の普段着の女性は、手元のスマートフォンをちらちらと見ながら矢継ぎ早に質問を浴びせてきた。

「あなたはAさん(フルネーム)ですね。えーと、生年月日は昭和○年×月×日で間違いないですね? こちらには単身でお住まいですか?」

 Aさんは、その通りですと相槌を打った。すると女性はこう継いだ。

「未納の分の平成24年分と25年分について、保険料免除の申請ができるんです。こちらの書類にサインしてください」

 女性から保険料の支払いを求められると思っていたAさんは思わぬ展開に驚いたという。このやりとりこそ、厚生労働省の「納付率粉飾」を象徴する出来事なのだ──。

 年金追及第1弾を掲載した週刊ポスト7月4日号が発売された6月23日、厚生労働省は2013年度の国民年金保険料納付率が「60.9%」となったことを発表した。

 新聞各紙はいつもの通り大本営発表を垂れ流し、〈国民年金の納付率 4年ぶり60%台〉(朝日新聞6月24日付)などの見出しで報じるばかりだった。

 前号記事では、その厚労省発表の納付率が大ウソであることを指摘した。一般には公開されていない同省の資料には、2012年度の表向きの納付率は59.0%ということになっているが、「本当の納付率」は39.9%と4割以下に落ち込んでいることが記されていた。

関連記事

トピックス

「ビッグダディ」こと林下清志さん(60)
《多産DVを語ったビッグダディ》「子どもができたら勝手に堕ろすんじゃないぞ」4男6女の父として子供たちに厳しく言い聞かせた理由
NEWSポストセブン
女児盗撮の疑いで逮捕の小瀬村史也容疑者(37)。新たに”わいせつ行為”の余罪が明らかになった
「よくタブレットで子どもを撮っていた」不同意わいせつ行為で再逮捕の小瀬村史也容疑者が“盗撮し放題だったワケ” 保護者は「『(被害者は)わからない』の一点張りで…」
NEWSポストセブン
成年式を控える悠仁さまと第1子を出産したばかりの眞子さん(写真・右/JMPA)
眞子さん、悠仁さまの成年式を欠席か いまなお秋篠宮家との断絶は根深く、連絡を取るのは佳子さまのみ “晴れの日に水を差す事態”への懸念も
女性セブン
ボニー・ブルーとの2ショット(インスタグラムより)
《タダで行為できます》金髪インフルエンサー(26)と関係を持った18歳青年「僕は楽しんだから、被害者になったわけじゃない」 “捕食者”との批判殺到に反論
NEWSポストセブン
2人は結婚3年目
《長髪62歳イケオジ夫との初夫婦姿》45歳の女優・ともさかりえ、3度目の結婚生活はハッピー 2度の離婚を乗り越えた現在
NEWSポストセブン
オーナーが出入りしていた店に貼られていた紙
「高級外車に乗り込んで…」岐阜・池田温泉旅館から“夜逃げ”したオーナーが直撃取材に見せた「怒りの表情」 委託していた町の職員も「現在もまだ旅館に入れない」と嘆き
NEWSポストセブン
記者の顔以外の一面を明かしてくれた川中さん
「夢はジャーナリストか政治家」政治スクープをすっぱ抜いた中学生記者・川中だいじさん(14)が出馬した生徒会長選挙で戦った「ものすごいライバル候補」と「人心を掴んだパフォーマンス」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博内の『景福宮』での重大な疑惑が発覚した(時事通信)
《万博店舗スタッフが告発》人気韓国料理店で“すっぱい匂いのチャプチェ”提供か…料理長が書いた「始末書」が存在、運営会社は「食品衛生上の問題はなかった」「異常な臭いはなかった」と反論
NEWSポストセブン
63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志さん
《63歳で初めて人生を振り返った俳優・小沢仁志》不良役演じた『ビー・バップ』『スクール☆ウォーズ』で激変した人生「自分の限界を超える快感を得ちまった」
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがニューシングル『Letter』をリリース(写真・左/AFLO、写真・右/Xより)
羽生結弦の元妻のバイオリニスト・末延麻裕子さん、“因縁の8月”にニューシングル発売 羽生にとっては“消せない影”となるのか 
女性セブン
雅子さまのご静養に同行する愛子さま(2025年8月、静岡県下田市。撮影/JMPA) 
愛子さま、雅子さまのご静養にすべて同行する“熱情” そばに寄り添う“幼なじみ”は大手造船会社のご子息、両陛下からも全幅の信頼 
女性セブン
猫愛に溢れるマルタでは、動物保護団体や市民による抗議活動が続いているという(左・時事通信フォト)
《深夜に猫地面にたたきつける動画》マルタで“猫殺し”容疑で逮捕の慶應卒エリート・オカムラサトシ容疑者の凶行と、マルタ国民の怒号「恥を知れ」「国外に追放せよ」
NEWSポストセブン