国内

全国有数の渋滞の名所 「中央道・小仏トンネル」の緩和策とは

 お盆真っ盛り、つまりは渋滞シーズンでもある。渋滞はただでさえイライラするのに、同乗者からも自分が悪くないのに文句ばかり言われ、ストレスはたまるばかりだ。そこで、渋滞にまつわる最新科学と、家族に自慢できる上手な渋滞回避術を知れば、夏のストレスとはおさらばだ。

 後続車が連鎖的にブレーキを踏む「サグ部」(上り坂の手前が下り坂になっており、横から見るとV字型になる場所)は渋滞が起こりやすいといわれている。『渋滞学』(新潮選書)の著者で東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授が解説する。

「上り坂でスピードが遅くなると、車間距離が縮まるので後続車が『これはヤバい』とブレーキをかける。するとその後ろの車はより強くブレーキをかけるので、それが繰り返されるうちに車が停止してしまうほどの渋滞になるのです」

 また、暗がりや圧迫感から一時的に減速してしまう「トンネルの入り口部」、3車線から2車線に減り、車線変更のために減速する「ボトルネック部」――この渋滞原因3要素が揃っているのが、全国有数の渋滞の名所「小仏トンネル」(中央道)だ。

 国土交通省は、トンネルの上り線に車線の増設を検討しているが、実現はまだ先の話。現在実施されているのは次のような対策だ。

「ドライバーが気づきにくい上り坂での速度などを電光掲示板や横断幕でアナウンスし、サグ部分での速度低下を防いでいるほか、トンネル入り口を明るくし、中に入ると徐々に暗くなるような照明にしている」(国土交通省道路局高速道路課)

 さらにこんな対策も施された。2012年3月から小仏トンネル手前の上り線の追い越し車線を一時的に減らし、走行車線に誘導するようにしている。それによってトンネル入り口での追い越し車線の利用率が53.5%から49.3%に下がった。

「車線を減らすと逆に混雑しそうに思われますが、車線の利用率が均等化される効果があり、渋滞発生を遠ざけるうえで賢い方法なのです」(西成教授)

※週刊ポスト2014年8月8日

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
清武英利氏がノンフィクション作品『記者は天国に行けない 反骨のジャーナリズム戦記』(文藝春秋刊)を上梓した
《出世や歳に負けるな。逃げずに書き続けよう》ノンフィクション作家・清武英利氏が語った「最後の独裁者を書いた理由」「僕は“鉱夫”でありたい」
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
『週刊ポスト』8月4日発売号で撮り下ろしグラビアに挑戦
渡邊渚さんが綴る“からっぽの夏休み”「SNSや世間のゴタゴタも全部がバカらしくなった」
NEWSポストセブン
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン
寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《お出かけスリーショット》小室眞子さんが赤ちゃんを抱えて“ママの顔”「五感を刺激するモンテッソーリ式ベビーグッズ」に育児の覚悟、夫婦で「成年式」を辞退
NEWSポストセブン