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上海の寿司屋で面接受けた日本人 5分で採用され店長候補に

床にまな板を置いて調理する中国人スタッフ

 なぜ「中国毒食品」はなくならないのか。その根底には、日本人とは相容れない中国人特有の「衛生観念」があるはずだ──そのことを間近で観察するため、本誌は上海在住のジャーナリスト・西谷格(にしたに・ただす)氏に、ある取材を依頼した。

 * * *
「中国人の食の安全意識を知りたいので、中国人が経営している現地の寿司屋でアルバイトしてきてください」

 度重なる中国の食品問題は起こるべくして起きたものなのか。8月初旬に編集部から、その実態を中国国内の飲食店に潜入し調査せよとの依頼があった。中国人にとっての日本食は、日本人にとっての韓国料理やエスニック料理のようなもので、フレンチやイタリアンほど敷居は高くないが、ちょっと洒落た料理というイメージだ。北京や上海など都市部では日本の回転寿司チェーンも進出し、競争が激しい。

 まずは求人サイトで見つけた中国資本の寿司チェーン店へ面接へ行った。広々とした高級感のあるオフィスビルで、先方の用意した簡単な履歴書に記入し、40代後半ぐらいの男性を相手に5分程度の面接をして即採用となった。

「将来的には店長として一店舗任せたい。日本と全く同じレベルの店を作りたいんだ」

 日本人の働き手はどうやらいないらしく、いきなり店長候補になってしまった。労働条件は週6日勤務で毎日10時~22時までの12時間。途中、約2時間の休憩を挟むとはいえ、長時間労働だ。昼と夜はまかない飯が出され、希望すれば寮にも入れるという。

 提示された月給は、2500元(約4万3000円)。日給わずか100元(約1700円)で、上海のホワイトカラー層の半分~3分の1程度。ボーナスは2年勤務すれば、ようやく1か月分が支給される。待遇に少し渋った様子を見せると「来月から3000元に上げてやるから」と言われ、頷いた。  

※SAPIO2014年10月号

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