ドラマを見ている女の私は、ぽかん。置き去りにされた感じ。このドラマが何を伝えようとしているのか、今一つ掴めない。
と思いつつ、ふと、気付きました。これは物語の内容を楽しむドラマというよりも、広末涼子のプロモーションビデオに近いのでは。
いかにきれいに撮るか。いかにきれいに描くか。「アイドル」広末へのオマージュ映像、デビュー当初の「無垢な」イメージに追いすがる仕掛けのドラマかも。「オレだけは広末の純粋さを理解できている」「男性スキャンダルが報じられても悪いのは広末ではない。周りが彼女を追い込んでいるだけ」「マスコミが書き立てていても、本当の広末は穢れないピュアな女」と信じたい面々--広末信奉者に語りかける、新スタイルのオマージュドラマ、と言えるのかもしれません。
とにかく、話題の2つのドラマを支持する層があまりにも対照的であることが、何とも面白い。
2つのドラマを「漁」にたとえれば……。「昼顔」は、底引き網。主婦・女性層を底の方からぐぐっと一気にさらった。「聖女」は、一本釣り。広末信奉者を一人一人釣り上げた。どちらの「釣り方」に軍配があがるかわかりませんが、今期の夏ドラマの総括として、こうした狩猟方法についてもぜひ記憶しておきたいと思います。