名優の死が相次いだ2014年。一時代の終わりを感じざるを得ないが、そんななか綾小路きみまろは、「きみまろ川柳」にのせて、世間の夫婦たちをズバッと斬ります!
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読者の皆様、いかがお過ごしでしょうか? 年があらたまっても、夫の顔まで新しくなるわけではございません。今や恒例行事となりました『きみまろ川柳』にのせて、往く年に思いをはせ、来る年にため息をつきながら、家族の騒動をお届けします。
「健さんは 凛として、夫は吝として」
高倉健さんの訃報は非常に残念でした。「凛として、潔い」──そういう形容がピッタリだった健さん。
「健さんの背中には哀愁が漂ってたわ。でも、うちの亭主が漂わせてるのは、哀愁じゃなく、悪臭」
私も含め、世の男性陣は「ごもっともです!」と、うなずくしかありません。健さんのカッコ良さには敵わないのです。
「健さんの態度や顔つきが引き締まっている凛(りん)と違って、うちの亭主は、ケチの吝(りん)、吝嗇家(りんしょくか)!」
この前の夜中もこんなことがあったそうです。奥様がソファで横になり、大好きな韓流ドラマを見ていると、ご主人がおしっこに起きてきました。
「寝てるんならテレビ消せ! 電気代がもったいない」
「寝てないわよ」
「目をつぶってたじゃないか」
「開けてたわよ」
「開けるんなら大きく開けろ」
「ホーラ、開けてやる」
大股開きの奥様。
「カモン!」
「バ、バカモン!」
ダジャレをかまして、寝室に退散のご主人です。残るのは奥様の捨てゼリフ。
「何が“電気代がもったいない”よ。アンタの“これが効くんだ”なんて、毎月買ってくる養毛剤のお金でテレビなんか何百時間も見られるわよ!」
ああ、名ばかりの、主のご主人なのでした。
※女性セブン2015年1月8・15日号