ビジネス

就活「読むと差がつく」バイブルあり 採用側の論理がわかる

 大学生の就職活動には「定番」と呼ぶべき対策本がある。それをこなすのはもちろんいいが、視点を180度変えて、採用担当者の本音を探ってはどうだろうか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が提案する。

 * * *
「何かを制したければ、相手の論理を理解すべし」

 そんな法則について考えてみたいと思います。就活に置き換えて言うならば、就活マニュアル本ではなく、採用する側の人事担当者向けの本を読め、と。

 就活時期が繰り下げになった現在の三年生の就活は、不気味な様相を呈しています。上位校の学生を中心に、インターンシップで囲い込まれる動きがある一方、多くの学生はまだ動いていません。以前、このコラムでもお伝えしましたが、大学生協の昨年12月時点での就活本の売上は対前年比で激減状態でした。昨年の11月に某ビジネス誌が就活特集を組んだのですが、まだ学生も動いていないからか部数は振るわなかったようです。

 とはいえ、大学での定期試験が終わり、春休みに入る2月からインターンシップが盛んになりますし、3月からはいよいよ就職ナビもオープンします。

 大学生協で売れる定番の就活対策本と言えば、次の3冊(シリーズ)です。それは、自己分析は『絶対内定シリーズ』(杉村太郎・ダイヤモンド社)、業界・企業研究のための『会社四季報(就職四季報)シリーズ』(東洋経済新報社)、SPI対策は『最新最強のSPIクリア問題集』(成美堂出版)です。毎年、大学生協ではこの3冊が売れますし、品切れしないように常に補充をかけています。

 もっとも、自己分析では最近はワークブック形式のものも広がりつつありますし、業界・企業研究ではビジネス雑誌の編集部などが出している業界を俯瞰できる業界地図的な本も売れています。SPI対策本は、成美堂出版のものが最初に売れるのですが、これに慣れた人や上位校の学生、理系の学生はより難易度が高いうえ解説が丁寧な洋泉社のものを買います。要するに定番がありつつも、多様化していると言えます。

 とはいえ、これらは「普通の学生」が読むものです。人と同じことをしても差はつきません。「自分たちを面接する人事はどう考えているのか?」という視点も大事です。というわけで、人事担当者向けの実務書をチェックしてみてはいかがでしょうか。

 今年、話題になっている本と言えば『こう変わる!新卒採用の実務』(労務行政研究所編)です。採用担当者向けに、スケジュール変更の影響と今後のあり方、インターンシップをするコツ、リクルーター制度の運用、内定者フォローのやり方、面接の手法などがまとめられています。一番の読みどころは、約300社に対する人事担当者アンケート調査でしょう。

 例えば、今回のスケジュール変更について完全遵守する企業は25.1%程度にすぎず、早期広報・早期選考が32.2%、独自スケジュールで動くが27.6%と、企業は新ルールに対して遵守するわけではないという傾向が明らかです。これらのアンケートの回答データもそうですが、学生に期待することなど人事担当者のホンネもコメントで羅列されており、採用する側の論理が分かります。ネスレ日本、三幸製菓、タカラトミー、コクヨ、ワークスアプリケーションズといった企業の採用のケーススタディも載っています。

関連キーワード

トピックス

緊急入院していた木村文乃(時事通信フォト)
《女優・木村文乃(37)が緊急入院》フジ初主演ドラマの撮影延期…過密スケジュールのなかイベント急きょ欠席 所属事務所は「入院は事実です」
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
《豊田市19歳女性刺殺》「家族に紹介するほど自慢の彼女だったのに…」安藤陸人容疑者の祖母が30分間悲しみの激白「バイト先のスーパーで千愛礼さんと一緒だった」
NEWSポストセブン
女子児童の下着を撮影した動画をSNSで共有したとして逮捕された小瀬村史也容疑者
「『アニメなんか観てたら犯罪者になるぞ』と笑って酷い揶揄を…」“教師盗撮グループ”の小瀬村史也容疑者の“意外な素顔”「“ザ”がつく陽キャラでサッカー少年」【エリート男子校同級生証言】
NEWSポストセブン
2023年7月から『スシロー』のCMに出演していた笑福亭鶴瓶
《スシローCMから消えた笑福亭鶴瓶》「広告契約は6月末で満了」中居正広氏の「BBQパーティー」余波で受けた“屈辱の広告写真削除”から5カ月、激怒の契約更新拒否
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長》東洋大卒記者が卒業証明書を取ってみると…「ものの30分で受け取れた」「代理人でも申請可能」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
《フジテレビに蔓延するオンカジ問題》「死ぬ、というかもう死んでる」1億円以上をベットした敏腕プロデューサー逮捕で関係する局員らが戦々恐々 「SNS全削除」の社員も
NEWSポストセブン
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
《新歓では「ほうれん草ゲーム」にノリノリ》悠仁さま“サークル掛け持ち”のキャンパスライフ サークル側は「悠仁さま抜きのLINEグループ」などで配慮
週刊ポスト
70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン