夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回寄せられたのは、水産会社勤務のご主人(54歳)。奥様(52歳)はご主人の実家の居酒屋を手伝ってくれています。
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両親で居酒屋をやってるんですが、隠語は沢山あります。同じ食材でも「兄」は先に仕入れたもので「弟」は後。「このお通し、どっちが兄貴?」という感じです。「『花子』が出た!」といったらゴキブリのことで、「バッシング」は英語でお客さんが帰った後のテーブル片付けのことですね。
ところが昨年、母が足を悪くしたため、女房が手伝うことに。「私も昔、飲食店で働いていたので」と働き始めた女房に、母は大感激。「さすが経験者ね。テキパキよく働いてくれてホントに助かるわ。ただ、聞いたこともない隠語を使うのよ、『大箱ですね』とか。広い店の意味らしいけど」。
他にも「ツメシボとアツシボ、どっちですか?」とお客さんに聞いたりするらしいんです。それは僕も知ってますけど、キャバクラとかで冷たいおしぼりか熱いのかって聞くことですよね。もしかして女房のいう「飲食店」って……水商売?
「お仕事楽しいし、ちゃんと働かせてもらおうかしら」という女房に「お袋も喜ぶよ」というと「じゃあ、私もチーママに昇格ね!」。うわぁ~、やっぱりだ!
※週刊ポスト2015年2月27日号