「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
ステータスを求め、豪華な設備がある住まいで暮らしたいと考える富裕層の高齢者にとって、昨今の「高級老人ホーム」は理想の老後を送るための新たな選択肢となっているようだ。
「老人ホーム」と聞くと、認知症が進んだり、身体に不自由が増えた高齢者が入居する場所だと考える人は多いだろう。介護や施設選びのアドバイスを行う株式会社プランドゥ代表取締役の脇俊介氏(介護総合情報サイト『MY介護の広場 老人ホームを探す』統括マネジャー)は「最近では、健康で自立した生活が可能な比較的若い高齢者も、積極的に老人ホームへの入居を検討するケースが目立つようになった。そんな方々から人気なのが“高級老人ホーム”です」と語る。
前編記事では脇氏に「高級老人ホーム」の落とし穴、施設選びのポイントについて話を聞いた。【前後編の前編】
「相談者のなかには、60代半ばほどの比較的若い層もいます。高級老人ホームは、自立した生活が可能な元気な高齢者を入居者として想定しています。健康さえ保てていれば、80代、90代で入居を検討する相談者もいますね。
年齢が若ければ若いほど前払い金は高くなる傾向にありますが、希望者の多くは経営者や大企業の役員を務めていた人が多く、『いくらかかってもいい』と思えるほど資産は潤沢です。金銭面での問題はないのでしょう。なかには現役で仕事を続けている人もいます」(脇氏)
なぜ健康面で問題がないのに、高級老人ホームへと移り住むのか。その理由は多岐にわたるが、防犯意識の高まりも一つの要因だ。近ごろ、戸建てに住む高齢者を狙った闇バイトなどの犯罪が増加している。この点において、特にセキュリティが強固な高級老人ホームへの入居は、理にかなった選択といえるだろう。