2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(AFP PHOTO / UNITED STATES DISTRICT COURTFOR THE SOUTHERN DISTRICT OF NEW YORK)
全米を揺るがす“エプスタイン事件”に進展があった。9月3日(現地時間)、ジェフリー・エプスタイン元被告(享年66)の被害者らが米ワシントンD.C.にある国会議事堂前に集まり、エプスタイン元被告が関与したとされる「児童売春の顧客リスト」を独自に作成する準備をしていると宣言した のだ。【前後編の前編】
“エプスタイン事件”とは、米の富豪であるエプスタイン元被告が1990年代から2019年にかけて、未成年の少女を含む女性に対する人身売買や性的虐待を加えていたとされる事件のことだ。元被告が所有する豪邸やプライベートアイランド(リトル・セント・ジェームズ島)に少女らを引き入れて、政界や財政界、芸能界などのセレブリティたちに売春を斡旋していた疑いがある。
現在までに複数の勇気ある告発者が被害を訴えており、今年4月24日に亡くなったヴァージニア・ジュフリーさん(享年41)もその1人だ。2001年、当時17歳だったジュフリーさんはエプスタイン元被告の元パートナーであるギレーヌ・マクスウェル被告(63=現在)から勧誘を受け、英・ヨーク公爵アンドルー王子(65=現在)と寝るように指示されたと主張していた。その後、2022年にアンドルー王子から多額の解決金が支払われ、和解に至っている。
ジュフリーさんの告発は氷山の一角に過ぎない。2020年には 、11歳と12歳の少女もエプスタイン元被告の被害を受けていたことが明らかになっている。大手紙国際部記者が語る。
「エプスタイン元被告は“ロリータ・エクスプレス”と呼ばれる悪名高いプライベートジェットで、交友関係のある著名人らをリトル・セント・ジェームズ島に招いて未成年の少女との売春を仲介していました。プライベートジェットの元パイロットは、ビル・クリントン元大統領(79)やドナルド・トランプ大統領(79)などの複数の権力者を乗せたことがあると証言している 。
しかし、エプスタイン元被告は2019年7月に起訴されたのち、同年8月にニューヨーク州の勾留施設内で首を吊っているのが発見され、まもなく死亡 が確認されました。本人の口から真相が明かされることがなくなった今、アメリカでは一刻も早い捜査資料の公開が望まれています」(大手紙国際部記者)