国内

【今、敢えて言っておきます】就職活動で「学歴差別」はある

「学歴差別はある」と言い切った作家・評論家の常見陽平氏

 就職活動真っ盛りだが、就活生の間で毎年話題になるのが「果たして企業は『学歴』でフィルタリングしているかどうか?」という点についてである。いわゆる「上位校」の学生はフィルタリングがあることで安心感を覚えるかもしれないが、いわゆる「下位校」の学生からするとたまったものではない。

 そんな中、『「就活」と日本社会―平等幻想を超えて』(NHK出版)で「学歴差別はある」と言い切った作家・評論家の常見陽平氏が、「今、敢えて言っておきます」シリーズ第3回(最終回)に登場(第1回は「生活保護」(自民党参議院議員・片山さつき氏)、第2回は「原発」(NPO法人社会保障経済研究所代表の石川和男氏)。常見氏の真意はどこにあるのか。

 * * *
 かつてトヨタやソニーが「学校名不問」を宣言していた時代があります。日本企業の特徴として、経済環境が苦しくなると「多様な人材を採りたい」と言いだす法則があります。同じような有名大学の学生ばかり採ることで、多様性がなくなることを懸念し、様々な大学から採る方針に何年かに一度、ふります。グローバル人材採用や一芸採用も、話題になるのは経済環境が苦しい時期なのですよね。

 もっとも、建前としても本音としても「多様性」って重要なんですよね。学校名不問は公平性があってクリーンなイメージに繋がります。そもそも採用活動というものは、「採用」だけが目的ではありません。昔ほどヒートアップはしていませんが、採用活動には企業のイメージをよくするという意識もあるのですよ。

 たとえば、CM総合研究所が行っている「CM好感度ランキング」で上位に入るのは本当に難しいことです。例外はあるものの、お金をかけて大量出稿する企業が上位に入るものです。しかし、就活の人気ランキングって案外簡単に上げられます。というのも、就活生って毎年、40万人台ぐらいしかいないので、この人たちに広く深く伝達することはそんなに難しくないのです。

 しかもターゲットも明確だから、他社よりも接点を増やして、面白い広告やDMを打ったり、特徴的なセミナーをすると順位が上がるのです。この人気ランキングは以前は必ず毎年メディアで紹介されれていたので、上位に入ることの価値は膨大なものがあります。従業員のモチベーションアップにもつながるのですよね。以前は社内報はもちろん、館内放送で人気ランキングの結果を発表していた企業もありました。学生は仮にその会社に入らなかったとしても、翌年はビジネスパーソンになるし、家庭を持つ。そんな時に、就職活動の時にイメージが良かった会社の保険に入ったりするかもしれないんですよ。将来の消費者・取引先になるかもしれない学生に対しては、「ウチの会社はクリーンですよ!」を打ち出す必要があります。だからこそ、学歴差別してないことを装う必要があるのですね。

 実は学歴差別って就活の歴史と共に存在しています。諸説ありますが、大学と企業のつながりから始まったものなので、学校間の差はあるのです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン