ライフ

東大カカオや京大カレー等 大学ブランド続出理由とその利点

京大総長尾池和夫さんプロデュースの『総長カレー』

 大学独自で、または大学と企業が一緒に開発した大学ブランド商品は、年々増加している。

 たとえば、ニュースなどで話題を集めた「東大カカオ」。商品化されるのは今年の秋の予定だというが、両者が提携した理由についてメリーチョコレートカムパニー・広報宣伝部の小林香さんはこう話す。

「近年のチョコレート業界では、カカオ豆を選び、焙煎から手がける“ビーン・トゥ・バー”が話題ですが、弊社ではそれを一歩先ゆく“ソイル・トゥ・バー(土からチョコレートへ)”に挑戦し、カカオを極めたいと思っていました。そんな時に東京大学に日本産の『東大カカオ』があることを知り、東京生まれのメリーチョコレートと東大は、“東京つながり”ということもあり産学連携することになりました」

 近年、こうした大学と企業が提携した大学ブランド商品が多数発売されているが、その魅力をマーケティングコンサルタントの西川りゅうじんさんは次のように解説する。

「大学だからこそできる研究の成果を商品にすることで、私たちも最先端の技術を生かした商品や、ユニークな商品を手にできる楽しさがあります。また、学生にとっては実践的な学びができることもメリットです。さらに、大学が企業や行政と組んで行うことも多いのですが、一緒に地域ブランドを作ることで地域の活性化に役立つことも多いですね」

 また、大学にとっては知名度がアップするという利点も。

「少子化に伴い、学生を集めるために大学は価値を高めることが必要です。最近では、近畿大学が世界で初めてマグロの完全養殖に成功し話題となった効果もあり、昨年の受験志願者数が早稲田大学や明治大学を抑えて1位に。今年も2位の明治大に大差をつけてV2を達成しました」(西川さん)

 そんな大学ブランド商品を、他にもいくつか紹介しよう。

 まずは近畿大学の完全養殖『近代マグロ』から。2013年に銀座に出店したことが話題となった近畿大学水産研究所。

「長年の研究成果をもとに育てられた養殖魚のイメージアップを図るため、サントリーとの提携が実現し出店しました。近大マグロは、32年かけて世界で初めて完全養殖に成功したクロマグロで、養殖から出荷に至るまで、徹底的に管理しているので安心、安全。味も脂がのっているけどしつこくなく、養殖魚のイメージが覆ったと好評です」(アーマリン近大担当者)

 お次は牛肉たっぷりでスパイスの効いた大人の味『総長カレー』だ。「もっと総長を身近に感じたい」という学生からの要望で、第24代京大総長の尾池和夫さんがプロデュースしたカレー。2005年に京大生協のカフェレストランで提供し大評判となり、2007年にはカフェに来なくても利用できるようにとレトルト商品が発売され人気に。

※女性セブン2015年5月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
列車の冷房送風口下は取り合い(写真提供/イメージマート)
《クーラーの温度設定で意見が真っ二つ》電車内で「寒暖差で体調崩すので弱冷房車」派がいる一方で、”送風口下の取り合い”を続ける汗かき男性は「なぜ”強冷房車”がないのか」と求める
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
「舌出し失神KO勝ち」から42年後の真実(撮影=木村盛綱/AFLO)
【追悼ハルク・ホーガン】無名のミュージシャンが「プロレスラーになりたい」と長州力を訪問 最大の転機となったアントニオ猪木との出会い
週刊ポスト
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン
真美子さんが信頼を寄せる大谷翔平の代理人・ネズ・バレロ氏(時事通信)
《“訴訟でモヤモヤ”の真美子さん》スゴ腕代理人・バレロ氏に寄せる“全幅の信頼”「スイートルームにも家族で同伴」【大谷翔平のハワイ別荘訴訟騒動】
NEWSポストセブン
中居正広氏の騒動はどこに帰着するのか
《中居正広氏のトラブル事案はなぜ刑事事件にならないのか》示談内容に「刑事告訴しない」条項が盛り込まれている可能性も 示談破棄なら状況変化も
週刊ポスト