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故トウ小平氏訪米時2回も暗殺未遂に アニメ映画で明らかに

 中国の元最高実力者、故・トウ小平氏が1979年1月から2月にかけて米国を公式訪問した際、2度の暗殺未遂事件が起きていたことが分かった。今月15日から中国全土で封切られたドキュメンタリー映画『旋風の9日間』で初めて明らかにされた。中国紙「新京報」が伝えた。

 監督は映画制作に当たって米国政府が機密指定を解除した国務省の外交文書に基づいており、トウ氏の9日間の訪米期間中のエピソードや資料、対話はすべて真実だとしている。

『旋風の9日間』はアニメ映画で、中国の国家指導者がアニメ映画で描かれるのは初めて。この映画のプロデューサーは「映画制作の際の貴重な資料には、知られざる秘密が多く含まれる。米国でも初めて機密解除され、トウ氏の家族も見たことがないものだ」と語っている。

 最初の暗殺未遂は首都ワシントンのホワイトハウスで、カーター大統領(当時)とトウ氏が会談していた際、米国務省発行の記者証を持つ記者2人がホワイトハウスに突入して暗殺を試みたが、ボディガードが阻止したというもの。

 事態を心配した大統領は「この事件が(米中関係の)妨害にならないことを望む」と話しかけると、トウ氏は「もちろんだ」冷静に答えたという。

 2度目の暗殺未遂事件はトウ氏がテキサス州を訪れ、滞在するホテルから出ようとしてエレベーターから降りてロビーに入ると、男がナイフを構えて突然飛び出したが、米側のシークレットサービスに取り押さえられた。

 この間、中国側のボディガードがトウ氏を外に避難させたが、ことが収まったと思ったトウ氏らが再びロビーに入ると、別の男が襲いかかろうとした。しかし、これも米シークレットサービスによって組み敷かれ連行された。この間、トウ氏は慌てず騒がす、平然としたものだったという。

 トウ氏は中国で1960年代から1980年代にかけて、7回もの暗殺未遂事件に巻き込まれたことが公式に発表されており、暗殺の危機を回避するのはお手のものだったようだ。

 このプロデューサーは「映画の90%以上の映像資料は米国から購入し、90%以上の現地取材も制作チームが当時のトウ氏の訪米ルートに沿って撮影した。当時、世界1000社ものメディアがトウ氏の訪米を取材し報道した」と述べている。

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