国際情報

少なくとも6回の暗殺未遂の習近平主席 ウルムチ爆発事件も

  中国の習近平国家主席は暗殺を極端に恐れているといわれている。実際にこれまで何度か暗殺未遂もあった。中国共産党の内部事情に精通する産経新聞中国総局特派員、矢板明夫氏がレポートする。

 * * *
 香港メディアなどによれば、習近平はこれまで少なくとも6回、命が狙われたことがあったという。時間や場所、手口などの詳細が分かっているのは3回だ。

 共産党総書記に就任する直前の2012年夏、会議室に爆弾を仕掛けられたのが最初で、その直後に、健康診断のために訪れた軍直属の病院で検査用の注射器に毒を入れられていた。

 3回目は2013年夏、地方視察の際に乗る自動車が交通事故を起こすようにタイヤが細工された。いずれも事前検査で判明し、未然に防ぐことができたという。

 2014年4月30日にウルムチ南駅で起きた爆発事件も習近平暗殺が目的の可能性が高いといわれる。同月27日から新疆ウイグル自治区の視察に出かけていた習近平はこの日にウルムチから北京に戻る予定だった。夕方、ウルムチのターミナル駅で突然、爆弾が炸裂し、3人が即死したほか、70人以上が負傷した。

 中国当局はイスラム過激派のウイグル人による無差別テロと発表したが、しかし、外国メディアが撮影した現場写真には銃撃戦を思わせる銃弾跡が多くあり、手口はこれまでのウイグル人が起こした暴力事件と大きく違っていた。

 治安当局の厳しい管理下にあるウイグル人たちは、それまで中国当局に抗議するために、ガソリンを積んだ自動車を建物に突っ込んだり、ナイフで通行人を切りつけたりするなどの事件を多く起こしたが、威力の高い爆弾や銃器を使った事はまずなかった。

 また、武器を厳重警備された駅に持ち込むことも不可能に近い。そのため、爆発事件は治安当局に内通した党内の不満分子が仕掛けた習近平暗殺未遂ではないかといわれている。

  習近平だけではなく、指導部内で反腐敗を担当する王岐山・規律検査委員会書記も刺客に襲われたこともあった。今年3月、河南省を視察したとき、元警察官の2人組に狙われ、暗殺に失敗した後、2人が自ら拳銃で頭を撃ち抜いて自殺したとの情報がある。

※SAPIO2015年7月号

関連キーワード

トピックス

事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
前回のヒジ手術の時と全く異なる事情とは(時事通信フォト)
大谷翔平、ドジャース先発陣故障者続出で急かされる「二刀流復活」への懸念 投手としてじっくり調整する機会を喪失、打撃への影響を危ぶむ声も
週刊ポスト
単独公務が増えている愛子さま(2025年5月、東京・新宿区。撮影/JMPA)
【雅子さまの背中を追いかけて単独公務が増加中】愛子さまが万博訪問“詳細な日程の公開”は異例 集客につなげたい主催者側の思惑か
女性セブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン
連日お泊まりが報じられた赤西仁と広瀬アリス
《広瀬アリスと交際発覚》赤西仁の隠さないデートに“今は彼に夢中” 交際後にカップルで匂わせ投稿か
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《離婚するかも…と田中圭は憔悴した様子》永野芽郁との不倫疑惑に元タレント妻は“もう限界”で堪忍袋の緒が切れた
NEWSポストセブン
成田市のアパートからアマンダさんの痛いが発見された(本人インスタグラムより)
《“日本愛”投稿した翌日に…》ブラジル人女性(30)が成田空港近くのアパートで遺体で発見、近隣住民が目撃していた“度重なる警察沙汰”「よくパトカーが来ていた」
NEWSポストセブン