国内

「大衆は素晴らしい」という論理批判できぬネットは自縄自縛

ネット上の意見は「自縄自縛」(呉智英氏)

 ネットでは誰もが意見を発信している。また昨年は国会前で連日のようにデモが行なわれた。すべての人に発言権がある自由な社会の実現である。では、果たして、そこではどれだけ立派な議論が繰り広げられているのか。ネットニュースの専門家・中川淳一郎氏と、ネットに一切触れない評論家・呉智英氏が検証する。今回のテーマは「バカ」だったため、バカげた話から2人は開始した。

中川:まずベッキーの不倫についてはどう思います?

呉:ベッキーって?

中川:あ、呉さん、テレビご覧にならないですもんね。ベッキーというのは、品行方正で好感度ナンバーワンとされてきた女性タレントで、今までスキャンダルがまったくなく、CM契約も10本とかあったんですが、紅白歌合戦にも出場した「ゲスの極み乙女。」のボーカルと……。

呉:それはバンド名ね。

中川:バンド名です。そのボーカルの男と不倫していた。その男にはずっと支えてきた妻がいたんですよ。

呉:糟糠の妻だね。

中川:そう、そう。ラインでの会話までネットで流れていて、離婚届のことを“卒論”と呼び、ベッキーが早く卒論を出すようけしかけていて、その裏の顔にみんな仰天したんです。

呉:そんなもの公開しちゃってるの?

中川:で、ベッキーが出演していたCMのいくつかは他のものに差しかえられたんですが、リベラル気取りの擁護派が「降ろすなんてとんでもない。恋愛は自由だし、そんな契約は奴隷契約だ」、「女性の恋愛する権利を奪うのか」と騒いでいるんですよ。

呉:バカとしかいいようがないな。

中川:そう。だから、「お前ら、アホだ」っていったら炎上した(笑い)。

呉:恋愛だろうとセックスだろうと、やりたきゃやればいいじゃない。だけど、自分でその権利を売ったんでしょ。そういう契約をしたのなら破ったらダメだよ。

中川:それも、1本何千万円という単位の契約料をもらっているわけですからね。

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