堀江同様、鮮烈な記憶として残っているのがかとうれいこだ。彼女の初撮影は山岸氏。その後、第16代クラリオンガールに選ばれるや、瞬く間にトップグラビアアイドルに上りつめた。彼女の写真集の撮影は香港でだった。だが、同行した野田氏と彼女が大げんかをしてしまい、なんと社長は先に帰国してしまったのだ。
「あの時は、すべてを任せられたようで困りました。彼女はすごい肩こりなんです。ある夜も肩がこったというので、ホテルのマッサージを呼んだのですが、彼女から『マッサージ師と2人きりになるのは怖いから一緒にいてください』と。とても人見知りする子なんです。それに、そのマッサージ師が下手だったので、足だけは揉んであげたような気がしますけどね(笑い)」
現場ではたちまちモデルの心の中に入り込む山岸氏だが、必要以上には近づかないのが信条。
「この業界で30年以上撮影してきましたが、2人きりで食事したのは、山田まりあ、細川ふみえ、かとうれいこ、それに安田成美の4人だけです。個人的な連絡先を知っているのは、飯島直子だけ。かなり少ないですよ」
構成■西本公広
※週刊ポスト2016年6月17日号