めちゃくちゃつらそう…とも思うが、そう感じさせないのが、お杉のすごいところ。おゆみは自殺未遂をしてひとりでは歩けないほどになったが、お杉は献身的に助け、にこにこと汚れものも洗濯する。時々、若い保本をからかっても見せる。本当は笑いのツボも心得た娘なのではと思わせる。大後寿々花も演技派だ。

 色白お嬢様とは対照的に、日々紫外線を浴びて肌も浅黒いおトキとお杉は、パッと見は地味だが、含蓄のあることを言ったり、物語を動かす。若手女優なのに大杉蓮か田中泯かというくらい「いぶし銀」感がある。

 思えば、徳永えりは、22歳にして、映画『春との旅』で大ベテラン仲代達矢と共演。大後寿々花も若干12歳でもってかのスピルバーグも製作に名を連ねる『SAYURI』でハリウッドを経験している。ふたりともその作品で、日本映画批評家大賞新人賞(小森和子賞)を獲得した実力の持ち主なのだ。

 先年の朝ドラ『あさが来た』では、友近がヒロイン(波瑠)のお付き女中役で相撲をとったりして泣き笑いさせられた。朝ドラの場合、新人ヒロインに親友役やお付き役に実力派を置くのは有効だ。『わろてんか』と『赤ひげ』のW若手いぶし銀女優がどう動くかに注目。演技派はここにいる!

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