高橋一生一覧

【高橋一生】に関するニュースを集めたページです。

竹内さんが亡くなりショックを受けているという柴咲コウ
春ドラマ辛口チェック 柴咲&一生、綾瀬&大泉は豪華キャスト“ムダ遣い”か?
 昨今の日本のドラマ界では“バディもの”が定番となっている。2022年春ドラマでも、も多くの新・バディが生まれている。 刑事と「インビジブル」と呼ばれる犯罪コーディネーターが異色のタッグを組む『インビジブル』(TBS系)。高橋一生(41才)が刑事を演じ、柴咲コウ(40才)が犯罪コーディネーター役を務める。豪華共演に期待されたが、ドラマウオッチャーの評価はいまひとつ。コラムニストの今井舞さんの意見はこの通り。「アメリカの人気ドラマ『ブラックリスト』を意識しているのは明らかですが、描かれる犯罪があまりにもショボい。逮捕された柴咲さんが取り調べ中、差し入れにカツ丼を頼んだら、そこにインカムが仕込まれていて簡単に外部と連絡できるなど、ツッコむ気力も失せるイージーなエピソードの連続。高橋さんと柴咲さんの“ムダ遣い”です」 ビッグネームのタッグなら綾瀬はるか(37才)と大泉洋(49才)の月9『元彼の遺言状』も負けていない。平均個人視聴率(4月18~24日、関東地区、ビデオリサーチ調べ)では5.9%で、TBS系『マイファミリー』の7.1%、テレビ朝日系『特捜9』の6.1%につづいて第3位だ。しかし、評価は分かれる結果に。「原作は2021年の『このミステリーがすごい!』大賞作で、クールな銭ゲバ弁護士を綾瀬さんが、その事務所の“雑用係”に大泉さんというキャスティング。大泉さんが驚くほどの豪華セットを用意してのクランクインと前評判は上々でした」(芸能関係者) しかし、期待が大きかった分、失望も大きかった。漫画家でテレビウォッチャーのカトリーヌあやこさんは、かなり辛辣な意見だ。「綾瀬さんと大泉さんの共演などお金をかけているのに、“こんなにおもしろくないことってある!?”と驚きました。ミステリーなのに事件の解決というクライマックスが、ほとんど口頭での説明なんです。このままだと、1時間大泉さんがフリートークをした方がおもしろく、視聴率も取れるのではないでしょうか」 ドラマ評論家の吉田潮さんも、こう話す。「前回の月9『ミステリと言う勿れ』がミステリー系のなかで群を抜いていた。それだけに月9ミステリーへの期待値が上がってしまい、綾瀬&大泉のツートップを持ってきても、中身が追い付かないからもったいない」 手厳しい意見も少なくないが、まだ多くのドラマが序盤戦。これからの盛り上がりに期待して、最後まで観続けるドラマを決めてほしい。※女性セブン2022年5月26日号
2022.05.16 16:00
女性セブン
わたナギは大ヒット
重視される個人視聴率で見る春ドラマ 好調は二宮主演『マイファミリー』
 2022年の春ドラマ視聴率争いも本格化してきた。木村拓哉(49才)や綾瀬はるか(37才)、二宮和也(38才)、高橋一生(41才)、柴咲コウ(40才)、上野樹里(35才)、広瀬アリス(27才)、土屋太鳳(27才)、間宮祥太朗(28才)、今田美桜(25才)と今クールのドラマは例年よりさらに豪華な俳優陣が揃い踏みしているようだ。テレビ解説者の木村隆志さんが説明する。「今クールの特徴は実力派と若手の対決です。2020年4月に視聴率の調査方法が変わったことにより、対決構図が顕著になりました。 若い世代の新たな視聴者を掴もうとするテレビ局の思惑と、これまでドラマを楽しんできた50代や60代の女性視聴者を確実に獲りたいというテレビ局の考えもある。 ターゲットがより明確に分かれたので、テーマも万人受けする警察モノや医療モノ一辺倒から、世相を反映して多様化しつつあります。総合的に見て、いまが日本のドラマの転換期と言えます」 以前の視聴率調査は家単位で測定され、何世帯がテレビをつけていたかを示す割合「世帯視聴率」で行われたが、現在は人単位で測定され、何人テレビを観ていたかを計算する「個人視聴率」が重要視されている。 かつては『太陽にほえろ!』(日本テレビ系)や『積木くずし』(TBS系)、『ビューティフルライフ』(TBS系)などが視聴率40%を超えていたが、現在は大台を超えるドラマはなかなかない。 ドラマの転換期にあり、各局、本気の作品を投入しているからこそ熾烈でおもしろい──新戦国時代に「観るべき」「観てもムダ」なドラマを、テレビの専門家たちが鋭く切り込んだ!15年ぶりの直接対決 現在、放送されている春ドラマの平均個人視聴率(4月18~24日、関東地区、ビデオリサーチ調べ)でトップを走っているのが、二宮和也主演の『マイファミリー』(TBS系)だ。「テレビ局ごとに指標は分かれていますが、一般的に個人視聴率のよし悪しは5.5%未満、7%前後、11%以上の3段階に分けられています。近年、個人視聴率は過去最低を更新しているのですが『マイファミリー』は7.1%と上々です。ちなみに、前クールで話題だった菅田将暉さん(29才)主演ドラマ『ミステリと言う勿れ』(フジテレビ系)も7〜8%台でした」(テレビ局関係者) 二宮は今作で、誘拐された娘を警察に頼らず自分たちだけの力で取り戻す夫婦を多部未華子(33才)と演じる。漫画家・テレビウオッチャーのカトリーヌあやこさんが言う。「大学の友人3人という二宮さん、賀来賢人さん(32才)、濱田岳さん(33才)の娘が誘拐事件に巻き込まれるというストーリーがいままでになく斬新。配役も豪華ですし、誰が犯人になってもおかしくないと思わせる展開で、被害者家族であるはずの二宮さんも充分に怪しい。ああでもない、こうでもないと考察しがいのあるドラマです」 一方、コラムニストの今井舞さんは手厳しい。「令和の時代に高級住宅街で子供が誘拐されているのに、“防犯カメラの死角を狙っている”というだけで犯人追跡が不可能だったり、友人グループ内で次々子供が誘拐されるなど、理不尽な筋運びにげんなり」 トップの二宮作品を追うのは“先輩”の井ノ原快彦(45才)が主演を務める『特捜9』(テレビ朝日系)。個人視聴率は6.1%。2006年から放送された前シリーズの『警視庁捜査一課9係』の続編で、ファンが多いので安定しているようだ。続く3位は、綾瀬はるかと大泉洋(49才)が出演する『元彼の遺言状』(フジテレビ系)で5.9%。綾瀬×「月9」のWネームとしては少々さみしいスタートか。 その「月9」と並んでいるのが、木村拓哉主演の『未来への10カウント』(テレビ朝日系)だ。「15年ぶりの二宮さんとの師弟対決です。15年前は木村さんが『華麗なる一族』(TBS系)に主演し、二宮さんは『拝啓、父上様』(フジテレビ系)で主演を務めました。そのときは『華麗なる一族』が平均視聴率24・4%で、『拝啓、父上様』の平均視聴率が13.2%と木村さんに軍配が上がりました。同じ時間帯の放送ではないので比較するのは難しいですが、今回は二宮さんが一歩リード。 とはいえ、2人は2018年公開の映画『検察側の罪人』の共演をきっかけに、二宮さんが木村さんの自宅を訪れる関係に。以降、プライベートの相談もする仲ですから師弟対決というより、一緒に業界を引っ張っていけるようないいドラマを作っていこうと話しているのではないでしょうか」(前出・テレビ局関係者) 今作で木村は高校ボクシング部のコーチを演じ、木村にとって学園スポーツモノは初挑戦になる。放送作家の山田美保子さんが言う。「近年、木村さんとテレ朝のタッグは、非常に意欲的に見えます。『BG~身辺警護人~』(2018、2020年)では、バツイチのシングルファーザーでボディーガードという異色のキャラを演じたり、『ロングバケーション』(フジテレビ系)以来、22年ぶりに山口智子さん(57才)と共演するなどチャレンジしています。ドラマファンの皆さんにも“完璧ではない木村拓哉”を楽しんでほしいですね」※女性セブン2022年5月26日号
2022.05.10 16:00
女性セブン
「岸井ゆきのの存在感」の秘密とは…(時事通信フォト)
大ブレイクの岸井ゆきの、「明るい殻に包まれた闇」を演じる力
 他者に恋愛感情を抱かず(アロマンティック)、性的感情を抱かない(アセクシュアル)男女を高橋一生と岸井ゆきのがダブル主演で演じ、話題のドラマ『恋せぬふたり』(NHK総合、毎週月曜夜10時45分〜)。ドラマオタクのエッセイスト・小林久乃氏は、女性の主人公を演じる岸井ゆきのの演技を見て、過去の出演作での役柄との共通項に気づいたという。それは何か。 * * * 2022年早々に興味深いドラマが始まった。“アロマンティック・アセクシュアル”をテーマにした『恋せぬふたり』(NHK総合)がそれだ。恋愛やセックスに興味がない兒玉咲子(岸井ゆきの)と、アロマンティック・アセクシュアルを自認する高橋羽(高橋一生)が、世間からの「結婚して幸せな家庭を持ちなさい」という同調圧力から逃れるかのように、自分たちなりの家族の形を求めて同居生活を始める物語。 岸井ゆきのさん演じる兒玉咲子は、スーパー本社の営業戦略課で働く。人望は厚く、勤務態度にも全く問題がない。同居していた両親、結婚して甥っ子たちを見せてくれた妹も大好き。そしていつも明るく笑顔で振る舞う。でもその裏には、恋愛ができないという秘密がある……。ふと、この興味深い設定を見て岸井さんがこれまでテレビドラマで演じていた役柄を思い出した。この人、「表向きは明るく装っていても、実は内側に闇や困難を抱えた役」が多いのでは? と。周囲からの「圧力に耐える役」が多い 今回気になった“実は闇や困難を抱えた役”というキーワードから岸井さんを意識したのは『モンテ・クリスト伯 —華麗なる復讐—』(フジテレビ系・2018年)。ディーン・フジオカさん主演で話題を呼んだ、通称『モンクリ』である。岸井さんが演じた入間未蘭は、警視庁に勤務する大層な父親を持ち、継母と生活している。両親の前では明るくしながらも、父親が選んだ相手と「結婚しろ」と強要されることに疑問を抱いていた。ラストは魚市場で働く男性と結ばれるという役。兒玉咲子と少し似ているのかもしれない。『私たちはどうかしている』(日本テレビ系・2020年)でも家同士の政略結婚を背景にしながら、お見合い相手の高月椿(横浜流星)のことがどうしても忘れられず、最後は裸で迫るというシーンも。まさに肉迫。 現在放送中の『恋せぬふたり』を含めても、世間や両親の同調圧力に耐えていることが多い。これは独身代表として言わせていただくが、世間一般に転がっている案件。口に出さずともあなたの周囲の人間も心苦しんでいるかもしれない。役柄ということでややハードではあるけれど、岸井さんが見せてくれた勇姿は独身軍の明るい光なのだ。身長150センチ、圧倒的な存在感 岸井さんの演技において豊かさが感じ取れるのは、何も結婚云々に関わった役ばかりではない。『#家族募集します』(TBS系・2021年)では、音楽で生きていくことを夢見てバイトに勤しむシングルマザーの役。あっけらかんと見せながらも、息子への愛も含めて複雑な感情を抱いていた。テレビドラマではないけれど、主演映画『愛がなんだ』で見せた、イケメンのヒモ男との関係からどうしても抜け出せない会社員の役も印象的だった。 数々の難役をクリアして話題を呼んでいるのは“演技力”と呼ばれるものの賜物。それは間違いない。ただ個人的に思うのは、岸井さんの圧倒的に嫌味のないビジュアルが大きく作用していると思う。 皆が思い描く彼女の容姿、あれで29歳なのだ。女性が憧れる大きめの口で笑う可愛らしい笑顔。さらに公式プロフィールによると身長は150センチ。そして全身で必死に演じる姿。これは男女問わず次から次へと共感を呼ぶのでは? と思う。身長が比較的低い女優群が今勢いを見せているけれど、岸井さんの存在感が頭ひとつ抜けたのは、あの一生懸命さなんだよなあ……(しみじみ)。 前述した通り、誰かの顔色をうかがって、自分を殺して生きているのはそんなに珍しいことではない。皆、悩んでいるのだ。これまで岸井さんが演じてきた役を、スタイル抜群の大柄な女優が演じたら、きっと「よくある」と印象に残らない。彼女だからこその、明るい殻に包まれた闇を抱えた役なのである。 先日放送された『恋せぬふたり』第2回では、咲子がついに家族へカミングアウトして、一波乱。これまでドラマオタクが見てきた展開だと、主演の男女に恋が芽生えて……という方向に流れがち。今回は“アロマンティック・アセクシュアル”という、今後注目度が高まるであろう人間像が取り上げられているので、そんな安っぽい展開ではなく、新しい人間像が垣間見える何かを教えてほしい。【プロフィール】小林久乃(こばやし・ひさの)/エッセイスト、ライター、編集者、クリエイティブディレクター。これまでに企画、編集、執筆を手がけた単行本は100冊以上。近著に『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ刊)。2022年3月に新刊発売予定。静岡県浜松市出身
2022.01.23 11:00
NEWSポストセブン
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JIN、直虎、ぎぼむす ヒット連発脚本家・森下佳子の最高傑作は?
 2021年1月期のドラマは評判が高い作品が多いが、なかでも毎話話題を呼んでいるのが綾瀬はるか主演の『天国と地獄~サイコな2人~』。同作を手掛ける脚本家・森下佳子は、これまでも数々の名作を世に送り出してきた。そこで森下の作品をドラマウォッチャーの木俣冬さん、まつもとえりこさんがランク付けし、作品への熱い想いを語ってもらった。(※ランキングは、各識者がランク付けして挙げた作品の1位を10点~10位1点で点数をつけ、2人の合計点で決めています)●1位『義母と娘のブルース』(TBS系 2018年)18点【あらすじ】 キャリアウーマンの亜希子(綾瀬はるか)が、竹野内豊演じる良一の連れ子で血の繋がっていない娘(上白石萌歌)との“本当の家族”になるまでを描いたヒューマンドラマ。SPドラマが放送されるなど、話題を呼んだ作品。「現実にはなさそうなことを「奇跡」と呼び、その可能性を描く優しいドラマ。病で入院した良一(竹野内豊)に「奇跡はわりとよく起きます」と言う亜希子に元気づけられた」(木俣)「6話、良一のお通夜。これまで感情を表に出さなかった亜希子がみゆきとともに悲しみ、みゆきが初めて言う『お母さん』に号泣した」(まつもと)●2位『だから私は推しました』(NHK 2019年)16点【あらすじ】 主人公・遠藤愛(桜井ユキ)は、承認欲求が強いアラサー女子。婚約者にフラれてどん底に落ちていたとき、“推し”と出会って生きる喜びを見つけた。地下アイドルを応援する“推し活”を楽しむ一方でアイドルをめぐる事件に巻き込まれていく──。「地下アイドルのライブシーンが本格的で、推し活動に寄り添っているうえ、主人公の愛と地下アイドル・ハナのシスターフッドも丁寧に描かれていた。非常に現代性のあるオリジナルストーリー」(木俣)「地下アイドルとファンの描き方に丁寧なリサーチを感じた。ハマっていく心理もリアル。さらに加えられたサスペンス要素は毎回ハラハラドキドキし、最終回はしびれました」(まつもと)●3位『JIN-仁-』(TBS系 2009年)13点【あらすじ】 脳外科医の南方仁(大沢たかお)が幕末の江戸にタイムスリップ。現代医学の知識と技術を使って、その時代の人々の病やケガを治していく姿は、現代に通ずる作品として話題になった。「厳しい環境下で伝染病コロリに奮闘するというエピソードはいまを予言していたかのよう。『神は乗り越えられる試練しか与えない』というセリフを胸に刻んでおきたい」(まつもと)「物語の前半には江戸に“コロリ”が発生。伝染病なので仁も治療に慎重にならざるを得ない。そのスリルと、身の危険を押してでも病気と向き合う医者の誠意は、コロナ禍のいま、見ると一層響く」(木俣)●同3位『天国と地獄 ~サイコな2人~』(TBS系 2021年)13点【あらすじ】 凶悪殺人の容疑者・高橋一生と事件を追う刑事・綾瀬はるかの心と体が入れ替わる。回を重ねるごとに事件は思いがけない方向に転がっていく——。「高橋一生が演じる女性の声色や仕草が見事。綾瀬はるかのクールな態度も、ミステリアスな容疑者が乗り移った感じで魅力的。2人の演技対決が楽しめる」(木俣)「綾瀬の怪しい微笑み、そして『ンモー!』とかわいい高橋。演技合戦と言ってもいい、この2人の意外な顔が見られる脚本に最敬礼」(まつもと)●4位『ごちそうさん』(NHK 2013~2014年)12点【あらすじ】 東京で生まれため以子(杏)は両親が切り盛りする洋食屋でおいしいものを目一杯食べてすくすくと育った食いしん坊。そのあふれんばかりの食欲と愛情は、どんな困難なときにも、自分と、め以子の大切な人々を支える原動力に--。「特別な才能があるわけではないヒロインが、食いしん坊なことを生かして、家族においしい食事を作り続ける温かなホームドラマ。劇中に出てきた料理本も出版されたほど、料理の場面がおいしそうなドラマでした」(木俣)「東京に生まれため以子が結婚して大阪へ移り住んでからの嫁いびり、戦争とつらいこともあるが、杏の配役がバッチリでカラッと明るくて好き。亡くなった祖母(吉行和子)の魂がぬか床に宿ってナレーションしているのもよかった」(まつもと)●5位『おんな城主 直虎』(NHK 2017年)10点【あらすじ】 戦国時代に男の名で家督を継いだ井伊家の当主・井伊直虎(柴咲コウ)が乱世に立ち向かいながら、自ら運命を切り開き、戦国時代を生き抜いた激動の生涯を描く。「第20回の三浦春馬演じる井伊直親がさわやかに見えて実は…というエピソードを推したい。直親の妻(貫地谷しほり)が「すけこまされた」と騒ぐ場面はこの時代、忍耐を強いられた女性たちの声を代弁しているようで痛快」(木俣)【プロフィール】木俣冬/ドラマや映画、演劇などを得意とするライター。著書に『みんなの朝ドラ』(講談社)などがある。まつもとえりこ/イラストレーター兼ライター。ドラマ、バラエティーなどのイラストレビューの制作を行う。※女性セブン2021年3月18日号
2021.03.07 16:00
女性セブン
ドラマはクライマックスへと向かう(時事通信フォト)
『天国と地獄』、なぜ視聴率で独走? 光る「総合点の高さ」
 2021年1月期のドラマ視聴率ランキングは、綾瀬はるかが主演を務める日曜劇場『天国と地獄〜サイコな2人〜』(TBS系)の独走状態だ。2月28日に放送された第7話の世帯平均視聴率は14.7%と報じられており、この勢いのままクライマックスに突入していきそうな気配を見せている。 本作は、女刑事・ 望月彩子(綾瀬)と殺人鬼・日高陽斗(高橋一生)の精神が入れ替わってしまうサスペンス。第1話の段階では、「一緒に階段から転げ落ちる」というベタな入れ替わり設定や、着けたり外したりの中途半端なマスク描写にツッコミを入れる視聴者も多かった。 そんな序盤で話題を牽引したのが、綾瀬はるかと高橋一生の「入れ替わり演技」だ。お互い見事に精神の入れ替わりを表現し、血まみれで冷酷な笑みを浮かべる綾瀬、涙目で震える高橋など、ふたりの新鮮な演技が毎週大きく反響を呼んだ。 入れ替わり演技が耳目を集めるうちに、『世界の中心で、愛をさけぶ』、『白夜行』、『JIN-仁-』、『天皇の料理番』、『義母と娘のブルース』など数々のヒットドラマを担当してきた名手・森下佳子による脚本も本格的な盛り上がりを見せていった。物語も後半戦となった現在では、“クウシュウゴウ”などの謎をめぐって視聴者の考察が過熱し、毎週のように関連ワードがTwitterのトレンドをにぎわせている。 他にも話題作がいろいろ放送されている中で、なぜ『天国と地獄』が視聴率レースを独走しているのか? ドラマウォッチャーの明日菜子氏は、昨年1月期に放送されたヒット作『テセウスの船』から生まれた「流れ」を感じているという。「平均視聴率19.6%で有終の美を飾った『テセウスの船』を意識しているのか、日曜劇場では、『危険なビーナス』、そして今回の『天国と地獄』とミステリードラマが続いています。原作ありだとネタバレが避けきれず、原作なしだと脚本の力が及ばず展開が読めてしまうドラマも多いのですが、『天国と地獄』はストーリーテリングに長けた脚本家・森下佳子の完全オリジナル。猟奇的な殺人事件から始まり、奄美大島の神秘的な伝説、さらには日高に双子の兄がいたことが判明するなど、新たな事実が明かされるたびに別の謎が浮上する展開が魅力です。 視聴者が推理しやすいようにあえてヒントが散りばめられた考察向けのドラマが流行る中、毎週翻弄されるような圧倒的なストーリー展開こそが、『天国と地獄』が視聴者を惹きつける最たる理由だと思います。 さらに作品を進化させたのは、複雑な脚本を乗りこなしている綾瀬はるかさんと高橋一生さんの腕前です。過去に何度かタッグを組んでいるため、森下さんはおふたりの魅せ方を熟知されているのでしょう。第2話での高橋さんの“泣き”芝居は、どことなくコミカルに映っていた男女入れ替わり劇をシリアスへと一転させました。綾瀬さんも呼応するように日高役とのシンクロ度を増している。物語自体の面白さと共に、綾瀬さんと高橋さんの好演も記憶に残る、総合点の高い作品に仕上がるのではないでしょうか」(明日菜子氏) ネット上の感想や考察の盛り上がりを見て、新たに『天国と地獄』に興味を持つようになった人も多いことだろう。最終回を目前にして、視聴者も巻き込んで非常に良い波が生まれていると言える。どのドラマも佳境を迎える中、『天国と地獄』の盤石のポジションを脅かす作品は現れるのか——。◆取材・文/原田イチボ(HEW)
2021.03.06 19:00
NEWSポストセブン
中居、香取、高橋一生、仲間由紀恵も? 寄付で褒章を受けた芸能人
中居、香取、高橋一生、仲間由紀恵も? 寄付で褒章を受けた芸能人
 思わぬところに、2人の名前を見つけた。国の機関紙である「官報」の片隅に、小さい文字だが、ちゃんと並んでいる。元SMAPの中居正広(48才)と香取慎吾(44才)が、紺綬褒章を受け取ったのだ。紺綬褒章は、国や地方公共団体、公益団体などに私財を500万円以上寄付した人を顕彰する国の制度。受章の際は褒章(メダル)が授与され、1500万円以上の寄付をした中居の場合、賞杯として「漆塗りの木製の杯」も授与される 中居や香取と同じタイミングで紺綬褒章を受章していた芸能人がほかにもいる。その1人が高橋一生(40才)だ。現在、主演ドラマ『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系)が絶好調だが、高橋もコロナによって苦しい日々を過ごした。 昨年2月、主演舞台『天保十二年のシェイクスピア』が新型コロナの影響で千秋楽を前に公演中止。最後となった公演では、観客に「娯楽というものが世の中からなくなってしまったら、きっと皆さんの心は、お芝居をさせていただいているぼくらも含め、『豊かな心』がどんどん失われていってしまうと思います」と心境を語った。「それだけに『状況を何とかしなければ』という思いが強く、それが寄付につながったのかもしれません。ただ、彼が紺綬褒章を受章したと知って驚いた関係者は多い。高橋さんがチャリティーをやっているというのをこれまで聞いたことがなかった。でも、弟の学費などを支援してきた高橋さんは、経済的に困窮することの苦しさをよく知っています。コロナ禍で苦しんでいる人のために手を差し伸べたいと考えたのでしょう」(芸能関係者) さらに、今回の紺綬褒章受章者の中には「田中由紀恵」という名があった。これは、仲間由紀恵(41才)の本名で、彼女も受章したのではないかといわれている。「仲間さんは、2019年10月に焼失した沖縄・首里城の再建資金を寄付したといわれています。沖縄出身の仲間さんは、地元への愛がとても強い。首里城は仲間さんが育った浦添市の高台からも見え、その王宮は彼女にとっての原風景でもあります。 また、琉球王国を舞台とした主演ドラマ『テンペスト』(NHK BS)でもロケを行うなど、仲間さんにとって思い出深い場所なので、寄付していたとしてもおかしくないでしょう」(前出・テレビ局関係者) 今回の受章には褒章以上に輝く、芸能人たちの素顔があった。※女性セブン2021年3月4日号
2021.02.20 11:00
女性セブン
憎めない“わがままジジイ”を好演
長瀬智也主演『俺の家の話』 ヒット続くTBSからのご褒美で制約なし
 早くも中盤戦に突入した2021年の冬ドラマ。テレビ評論家・吉田潮さんは、こんなところに注目している。「今クールは、ファンタジー、恋愛、刑事、医療、ホームコメディーと、ジャンルが分散していますが、私が注目しているのがファンタジー。『君と世界が終わる日に』(日本テレビ系・日曜22時30分)、『天国と地獄~サイコな2人~』(TBS系・日曜21時)、『知ってるワイフ』(フジテレビ系・木曜22時)と、ファンタジー作がこれだけ並ぶのは珍しい」 漫画家・テレビウォッチャーのカトリーヌあやこさんはオリジナル作品の多さを挙げる。「『天国と地獄』の森下佳子さん、『俺の家の話』(TBS系・金曜22時)の宮藤官九郎さん、『ウチの娘は、彼氏が出来ない!!』(日本テレビ系・水曜22時)の北川悦吏子さんほか、作家性が高く個性豊かな脚本家が揃っています。原作がないので、視聴者は結末がわからない。ドキドキさせる作品が多いですね」 カトリーヌさんのイチオシは、正義感あふれる刑事(綾瀬はるか・35才)と殺人鬼(高橋一生・40才)が入れ替わるというドラマ『天国と地獄』。第1話が16.8%、その後も14%台と視聴率トップを快走中だ。「綾瀬さんと脚本家の森下さんのコンビは『JIN-仁-』(TBS系)でもおなじみ。音楽の使い方や重要なシーンに“チリーン”と鈴の音がするなど、演出もどこか『JIN』っぽい。 怪しい登場人物が多いので“高橋一生さんは実は犯人ではないのでは”“誰が犯人なのか”という考察ができて、ついつい、いろんな人と意見を交換したくなってしまいます」(カトリーヌさん) 現場では綾瀬がムードメーカーになって雰囲気を和ませているという。屋外ロケが長時間に及んだときは、こんな出来事が。「隣接する公園の公衆トイレを利用していましたが、撮影が押してあたりが真っ暗になると、スタッフでも怖くてトイレを躊躇するほど。でも綾瀬さんは“トイレ行ってきま~す”と明るく宣言。傍らにあった照明係の小型ライトを手に、さっそうとトイレに向かいました」(TBS関係者) 前出の吉田さんが「見続けたい」と話すのは『俺の家の話』だ。家出をしてプロレスラーになっていた長男・長瀬智也(42才)が、人間国宝の父・西田敏行(73才)が倒れたことを受けて能の宗家を継ぐことを決意。伝統芸能と遺産相続、介護に奔走する。「コメディーとしての完成度が高い一方で、排泄や入浴など親の介護で外してはならない部分を、初回から存分に入れているのがすごい。切ないシーンもいっぱいあって、長瀬君の哀愁漂う表情に釘付けになる。“彼は本当にいい年の取り方をしたな”と思いますね。 わがままジジイなのにチャーミングで憎めない、口をとんがらかして文句を言う西田敏行は男の幼児化を嫌悪感なく演じられる唯一の俳優ではないかと。でも、認知症で自分ができないことが増えていく悲しみも、ちゃんと表情と呟きで魅せるんですよね。語尾が柔らかいからかなあ」(吉田さん) プロデューサーは『木更津キャッツアイ』『池袋ウエストゲートパーク』『恋はつづくよどこまでも』(いずれもTBS系)の磯山晶氏。 ジャニーズとしての最後の大仕事となる長瀬は、役作りのために、本物のプロレスラーたちと一緒に練習をして体を鍛え上げたという。「太らない体質の彼が、とにかく食べて体重を13kg増に。ど迫力のプロレスシーンだけでなく、能の稽古にも本格的に取り組んだ。なんでもこなすので、現場ではスーパーマンと呼ばれています(笑い)。TBSは『逃げ恥』『私の家政夫ナギサさん』『恋つづ』……と成功続き。ご褒美的な意味合いもあって、局側からの制約はほとんどなく、Pの磯山さんがやりたいようにできているというのも伝わってきますね」(テレビ局関係者)※女性セブン2021年2月18・25日号
2021.02.05 07:00
女性セブン
(写真/時事通信社)
蒼井優が主演作で見せる感情の爆発 過去作品との決定的違い
 蒼井優(35才)が主演を務め、第77回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門で銀獅子賞(最優秀監督賞)を受賞した『スパイの妻〈劇場版〉』が、10月16日公開された。上映館は全国100館未満と小規模ながらも、初日から3日間で観客動員数は3万人以上を記録、興行収入は4700万円を超えた。SNSや口コミでは「濃厚な物語に引きずり込まれた」「時代の不穏な空気感や狂気を体感できた」「脚本も芝居も『お見事』」と称賛の声が広がっている。映画や演劇などに詳しいライターの折田侑駿さんも太鼓判を押す。 * * * 公開開始早々、興収ランキング第6位に付け、注目度の高さがうかがえる『スパイの妻〈劇場版〉』。本作は、2020年6月にNHK BS8Kで放送された黒沢清監督(65才)によるドラマ作品を、スクリーンサイズや色調を新たにした劇場版。世界中に熱狂的なファンを持つ黒沢監督の最新作とあり、公開前から多くの期待の声が上がっていた。もちろん筆者も例外ではなく、いち早く試写室に駆け込んで視聴した。ヴェネチア国際映画祭での銀獅子賞受賞にも納得だ。独特な世界観や観る者の不安を煽る演出など、監督の手腕は作品の隅々にまで冴え渡っていた。出演した俳優たちも、主演の蒼井のほか、高橋一生(39才)、東出昌大(32才)、笹野高史(72才)といった演技巧者たちが顔を揃えている。 本作のストーリーラインはこうだ。舞台は太平洋戦争開戦間近の日本。恐ろしい国家機密を偶然知ってしまった夫の優作(高橋)が、正義のためにその残酷な所業を世に知らしめようとするのに対し、妻である聡子(蒼井)は「スパイの妻」と罵られようとも、愛する夫を信じ支えようとする。だが2人は、戦争という時代のうねりに飲み込まれ、翻弄されていく。 蒼井と高橋の組み合わせといえば、今年の頭に公開されたタナダユキ(45才)監督作『ロマンスドール』での好演が記憶に新しい。同作はタナダ監督が執筆した小説を、自ら映画化した大人のラブストーリー。今回の『スパイの妻』と同様2人は夫婦を演じ、互いに“嘘=ヒミツ”を抱えながらも共に生きる男女の物語は共感を呼び、多くの支持を得た。そんな作品に続く2人の共演作とあって、いやがうえにも今作『スパイの妻』には期待が集まっていたのだ。 本作における2人の夫婦の掛け合いももちろん良いが、蒼井の凄さが圧倒的。SNSでは、聡子の重要な場面でのセリフ「お見事!」を文字って「蒼井優お見事!」という視聴者の感想が多く寄せられた。10代半ばから俳優活動を開始した彼女の長く豊富なキャリアはよく知られている。テレビドラマや映画、舞台、アニメ声優、CMと作品の形態を問わず、またコメディ、シリアス、ヒューマンドラマなど、参加する作品のジャンルも問わない。各作品で演じてきたキャラクターも多岐にわたる。 蒼井のキャリアを振り返って驚かされるのが、長い活動期間の中でここまで“停滞期”の無い俳優も珍しいという点だ。映画初出演を果たした『リリイ・シュシュのすべて』(2001年)、初の単独主演映画『ニライカナイからの手紙』(2005年)、『フラガール』(2006年)、『百万円と苦虫女』(2008年)、昨年公開された『長いお別れ』など、毎年何かしら彼女の代表作と言える映画が公開されているのである。ファンにとっても「蒼井優といえば『◯◯』!」という作品がそれぞれにあるのではないだろうか。 今作での蒼井の演技は、やはりとてつもない“感情の爆発”が見どころ。これまでにも彼女は、『オーバー・フェンス』(2016年)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017年)、『宮本から君へ』(2019年)などの作品で感情の爆発シーンを演じてきた。しかし、一部ネタバレになるが、これら過去の作品での蒼井の爆発力は終始フルスロットル状態だったのに対し、今作でそれを見せるのはクライマックスのみ。最後の最後まで抑制された聡子を演じ続けるが、ラストの浜辺のシーンで慟哭し感情的になる聡子の姿は、凄まじい爆発の熱量にもかかわらず、それを感じさせない自然さで夫への狂気じみた愛を表現した。 その少し前のシーンの聡子のセリフも印象的だ。「私は一切狂っておりません。ただ、それはつまり私が狂っているということなんです。きっとこの国では」。このセリフは、何が正常で何が異常か、もはや誰にも分からなくなるほど人々がまともではいられなかった戦争という時代をよく表わしているし、このセリフがあったからこそ、ラストの聡子の狂気と爆発がより際立っていたように思う。 黒沢組3度目の参加となった蒼井について監督は、「会っていると“普通の人”みたいなのですが、画面に映ると、隅の方にいても後ろを向いていても輝く。観客も『どんな状況に置かれてもこの人を見続けるぞ』と思ってくれるはず」と述べている。視聴者を引き付けて止まない蒼井主演の今作は、また彼女の代表作となることだろう。【折田侑駿】文筆家。1990年生まれ。映画や演劇、俳優、文学、服飾、酒場など幅広くカバーし、映画の劇場パンフレットに多数寄稿のほか、映画トーク番組「活弁シネマ倶楽部」ではMCを務めている。
2020.10.24 07:00
NEWSポストセブン
番組公式サイトより
玉木宏&高橋一生『竜の道』は松本清張ドラマに通じる質感
 回数を重ねていくごとに評価が高まるタイプの作品、なのかもしれない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』(フジテレビ系火曜午後9時)に漂う独特の空気感に心を掴まれている視聴者も多いのではないでしょうか? 玉木宏と高橋一生が「奇妙な双子」として登場するこの作品。ミステリーというよりも人間ドラマとして画面に静かなる狂気が充満しています。人間の中に鬼がいて鬼の中に人間がいることを描き出したドラマ、とも言えるでしょう。 原作は白川道の未完の同名小説。双子の兄・竜一(玉木宏)は、異なる顔を手術で手に入れ名前も変えて別人になりかわり裏社会で生きてきた。一方、弟の竜二(高橋一生)は国土交通省のエリート官僚になった。すべては、親代わりの人を死に至らしめたキリシマ急便社長・霧島源平(遠藤憲一)に復讐するために。 ……という筋立てですが、いくら徹底的に美容整形をして顔を変えたのだと説明されても、玉木宏と高橋一生が双子とは。全身の骨格や背格好など雰囲気が違いすぎ……と冷静に見比べる暇も必要もない。視聴者をぐいっと物語世界へ引き込み連れ去っていってしまう力技。視聴者は一気に物語の船に乗せられて沖へと漕ぎ出していく。むしろ、架空の世界に身を委ねる心地よさに包まれるドラマ、と言ったらよいでしょうか。 一般的に言えば、事件を描くドラマといえば謎解きがポイント。「犯人が誰か」が山場になります。しかし、このドラマは冒頭から復讐犯を知らしめる形でスタートしている。だから、犯人捜しについて時間をかける必要はない。その分、人間をじっくりと掘り下げる。生育歴、社会環境、影響を受けた出来事、葛藤といったプロセスを丁寧に浮き彫りにする。 素朴な少年だった二人が、人を殺める「鬼」にならざるをえなかったのはなぜか。純粋な真面目さゆえか。人間の哀しさと復讐にとりつかれた凄みとを、竜一役の玉木さんが体現しています。 「あまり固定概念にとらわれたくないという思いがあります。だから、『こういう役をやったから、ああいう役はやらないんだろうな』と思って見ている人を見返して、常にチャレンジしていると思ってもらえるように、仕事に臨んでいきたいと思います」(2020年8月11日「マイナビニュース」)と語っていた玉木さん。一期一会で竜一に全力投球しています。 一方、双子の兄と弟との対比もドラマの見所でしょう。 兄に比べてどこか常識人の色を残した弟を演じる高橋さんは、実にスーツが似合っています。官僚組織の中の一コマになりきるしぐさ、挨拶の腰の角度、他の官僚と一糸乱れぬ群れとなって移動する様子、特に大臣を前にしたプレゼンテーションのシーンは圧巻でした。 最新の自動運転技術についてパワーポイントを映して専門用語を並べてとうとうと語る、立て板に水のセリフ回し。まるで「役者」というやくざな稼業ではなく、本当にビジネスの現場にいる人みたいにリアル。その抜け目のない演技術に拍手を送りたい。 キャラクター造形ということでいえばこの二人以外にも松本穂香、松本まりか、細田善彦、斎藤由貴とそれぞれの役者が各持ち場で人物をきっちりと演じていて、それがピタっとはまっているのも小気味良いのです。 小さな運送会社が急成長を遂げ次々に会社を買収し大きくなっていく。金儲けと欲にまみれた社長が平気で他者を蹴落としていく。資本主義の膿、社会の矛盾が一人の人生を狂わせていく。社会がまだIT化でカサカサと乾燥しきってしまう前の、湿った街角と体温を感じさせる時代。その中で資本主義に呑み込まれていった悲劇にスポットを当てるあたり、松本清張ドラマにも通じる質感です。匂いがあり、触感あり、闇がある「昭和っぽさ」が、物語に奥行きを作り出しています。 新型コロナ感染拡大で2ヶ月の撮影中断をよぎなくされた本作品。しかしそれが結果として、良い意味で発酵の期間となり、行間の味わいや陰翳を感じさせる作品になったのかもしれません。撮影ができることの喜びは、次はいつ中断してしまうのかという緊張感と隣り合わせ。やっとクランクアップしたそうですが、2ヶ月という中断の影響を色濃くうけた、今後の展開に一層注目したいと思います。
2020.08.15 16:00
NEWSポストセブン
柴咲コウ
初の朝ドラでも存在感 わが道をゆく柴咲コウの強さと危うさ
 多くのドラマ、映画で活躍し女優として確固たるポジションを築いている柴咲コウ(38才)。この春、女優として、そして実業家としてさらに大きな注目が集まっている。そんな彼女の活動についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 3日放送の朝ドラ『エール』(NHK)は、柴咲コウさんの独壇場でした。 柴咲さん演じる世界的オペラ歌手・双浦環は、「最後のチャンス」と言われていたレコードが売れず失業と借金の危機に陥った古山裕一(窪田正孝)・音(二階堂ふみ)夫妻を救うべく、「私に歌わせて」と立候補。反対する大物作曲家・小山田耕三(志村けん)に直談判し、裕一が作曲した「船頭可愛や」を堂々と歌い上げてヒット曲にするなど、出色の存在感を見せました。主演の窪田さんに「あなたの音楽を大勢の人に届けたい」と熱く訴えかけ、注目度の高い志村けんさんと対峙しても、視聴者の目は柴咲さんに釘付け。強くまっすぐな眼差し、艶やかな着物やドレス姿、強い信念で突き進む生き様に、「環は柴咲コウそのもの」という声が挙がっていました。 強い信念で突き進む生き様は、朝ドラの双浦環だけでなく、この春の柴咲さん自身にも当てはまります。◆自宅から愛猫と出演して驚かせる 柴咲さんは3月31日で所属事務所を退社して独立。2016年に設立し、自らが代表を務めてきた会社「レトロワグラース」が芸能活動のマネジメントを行うことを発表しました。 独立後にはさっそく朝ドラに初出演し、圧倒的な存在感と歌唱力を披露。5月8日には自宅に自ら機材をセッティングし、ヘアメイクも行うテレワークドラマ『転・コウ・生』(NHK)に愛猫と出演し、「ムロツヨシさんや高橋一生さんと入れ替わる」という設定で中年男を演じて世間を驚かせました。同作を手がけた脚本家・森下佳子さんと出演者の3人は、柴咲さん主演の大河ドラマ『おんな城主 直虎』のメンバーであり、この仕事を選ぶところに人の縁を大切にする彼女らしさが表れています。 さらに特筆すべきは、ネット上での積極的な発信。柴咲さんは3月31日にYouTubeチャンネルを開設し、コンサートや写真撮影の様子、味噌や餃子作り、猫の紹介などの動画を公開しています。また、TwitterやInstagramへの投稿にも積極的で、とりわけ種苗法改正案に関するツイートは数万件ものリツイートや「いいね」を集めました。 しかし、ツイートの中には反対意見も多く、柴咲さんが一部を削除したこともあって、誹謗中傷や脅迫のようなものも多かったそうです。ただこのようなバッシングに引き下がらないのが柴咲さん。「意見を言うことは、誰にも平等に与えられた権利」「事実とは異なる投稿、捏造、誹謗中傷、脅迫行為、ミスリードしさらなる事実誤認した記事の作成元に関しては法的措置も検討しています」「様々な人が健全にオープンに物事を語り合える高尚な社会をこれからも期待します」という毅然としたコメントを発信しました。 初の朝ドラに挑み、自宅を映し、愛猫を出演させた芸能活動も、いまだ物議を醸し続けている種苗法に関わるツイートも、まさに独立独歩のスタンス。所属事務所から独立したことで、「自分が信じる道に突き進む」というスタンスが際立つようになり、強さだけでなく危うさも感じさせています。ファンにしてみれば、「芯の強い女性」というイメージがあった柴咲さんが独立して思うままに活動しはじめたことで、「本当に強い女性だったんだ」と実感しているのではないでしょうか。ところが、独立には「自分一人で突っ走ってしまいがち」というウィークポイントもあり、特にSNSでの発信はリスクが高く、危うさが漂っているのです。◆ホームページにつづられた強い言葉 柴咲さんが代表を務めるレトロワグラース株式会社のホームページを見ると、ビジョンの欄に「健やかに美しく調和のとれた暮らしのために、衣食住製品の企画・開発を行う」、コンセプトの欄に「地球規模での『真』の豊かさを知り、その道理を『信』じて突き『進』みます」などの言葉が書かれていました。これまで楽曲の多くを作詞してきたことと同様に、1つ1つのフレーズにこだわりの強さがあふれ、理想を追い求めている様子がうかがえます。 また、同社のエンターテインメントと並ぶ主要プロジェクトのアパレル事業が自然環境に配慮していることもあり、柴咲さんは環境省特別広報大使として活動中。現在は国立公園の魅力を伝える活動などが見られますが、これは「独立したから」ではなく、「2016年の創業時からブレずに続けてきたことの成果」であり、やはり意志の強さを感じさせます。 柴咲さんの言動は自由度を増しているだけに、今後もどんな仕事やネット投稿で驚かせてくれるのか。独立で強さと危うさが増しているため、これまで以上に要注目の存在になっていくのではないでしょうか。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2020.06.06 07:00
NEWSポストセブン
高橋一生とCM共演の宮下咲 “なんだしダンス”に苦戦?
高橋一生とCM共演の宮下咲 “なんだしダンス”に苦戦?
 新ドラマやCMで大注目のNEXTブレイク確実な新星美女の素顔に超接近。耳に残るコミカルな音楽が特徴的なAGCの「なんだし、なんだし、AGC/スマホ」篇のCMで高橋一生とユニークなダンスを踊る生徒役を演じている宮下咲(15)。「緊張しない性格なのですが、現場に入ってみるとこれまで感じたことのない緊張感を感じました。私は不器用なので、最初は手と足の動きを考えすぎて“あれっ”と焦りましたが(笑い)、楽しみながら踊ることができました」 2018年に所属事務所アミューズの全県全員面接オーディションの四国編でグランプリを獲得。現在ベネッセコーポレーション「進研ゼミ」のCMにも出演している。「故郷の愛媛県は自然豊かで四国遍路のお寺や温泉もあり、ゆったりしたところが魅力だと思います。あと、美味しいパン屋さんが多いです! このお仕事は支えてくださるたくさんの方との一期一会の出会いがあり、感謝しています」◆AGC「なんだし、なんだし、AGC/スマホ」篇 高橋一生が宮下と「なんだし、なんだし」とコミカルに踊りながら学生たちが集まるフードコートに登場する。【プロフィール】みやした・さき/2004年生まれ、愛媛県出身。165cm。アサヒ飲料「放課後カルピス」のWEB CMにも出演中。◆取材・文/高倉文紀※週刊ポスト2020年5月22・29日号
2020.05.18 07:00
週刊ポスト
舘ひろしが激励のためラグビー・ブレイブブロッサムズに渡した逸品
有名人が愛用する手土産、HYDEのプリンや石原軍団のおはぎ
 世の中に話題のフードやスイーツは数多くあれど、“芸能人が手土産にしている”ものはどんなものなのか!? 昨年話題になったドラマやスポーツの現場の差し入れを徹底調査した。◆HYDE(50才)/ザ・ペニンシュラブティック&カフェ「マンゴープリン」 売り切れ注意の贅沢プリン。ココナッツミルクソースが入ったなめらかプリンの上には濃厚なマンゴーソースと果肉が。口に入れた瞬間に口福が広がる。午前中に売り切れることもあり予約必須。消費期限は当日。720円(1個)。東京都千代田区有楽町1-8-1ザ・ペニンシュラ東京地下1階。11~18時(カフェは~17時)。無休。◆劇団EXILE・鈴木伸之(27才)/パティスリーシュクレペールの「バニーユ」 EXILE・HIROから受け継がれたプリン。御養卵を使い、通常の倍の時間をかけて焼き上げた、とろ~り濃厚なバニラプリン。“東京で一番おいしいプリン”に認定されたことも。消費期限は3日。306円(1個)。東京都世田谷区玉川3-21-5シュウ稲田ビル1階 10:00~19:00。不定休。◆岩田剛典(30才)/プレジール「フルーツブーケ」 華やかブーケでお祝い。米国発のフルーツブーケを、国産の厳選果物で制作。消費期限は当日。BERRY BERRY(白)1万2156円~、Cheery 9841円~(各Sサイズ 3~6名用他)。※ネット販売のみ(クール冷蔵便送料込み)。フルーツは季節により異なる。◆三田佳子(78才)/RINGO「焼きたてカスタードアップルパイ」 フレッシュな甘さに行列必死。パイのサクサク感とりんごのシャリシャリ感が絶妙なおいしさで、果実とカスタードのW食感を楽しめる。温め直せば、焼きたてのようなおいしさが再現できる。消費期は2日。(要冷蔵)370円(1個)。京王モール新宿店などにて取り扱い。◆舘ひろし(69才)/サザエ食品「おはぎ」 石原軍団御用達の伝統和菓子。迫力あるボリュームながら、十勝産小豆を使用したあんこの控え目な甘さでペロリと食べられる。ラグビー日本代表の合宿先に差し入れられた500個のおはぎがベスト8につながった!? 消費期限は当日きなこ、粒あん、ごま。各180円。日本橋三越本店などにて取り扱い。(石原軍団は粒あんときなこのみを利用)◆よしながふみ/サニーヒルズ 南青山店「パイナップルケーキ」 台湾発のシンプルなパイナップルケーキ。余計なものは加えず、自然なおいしさを引き出すことにこだわった具だくさんのパイナップルケーキ。塩味の効いた外側のクッキー生地はしっとりサクサク、パイナップルの風味がさらに引き立つ。賞味期限は14日。4167円(15個入り)。東京都港区南青山3-10-20。11~19時。無休。◆高橋一生(39才)/おしあげ煎餅本舗「亀の子せん」 亀の形と甲羅模様が粋な下町の味。小さい子供からお年寄りまで食べやすい薄皮の一口サイズ。亀の甲羅とお腹の模様にしみ込んだ甘じょっぱいところがまたうまい! 賞味期限は3か月。550円(5個1袋×5袋入)、115円(5個入りの小袋)。東京都江東区亀戸2-38-5。9~19時。定休日:日、祝日の月曜。◆リリー・フランキー(56才)/シロヤベーカリー小倉「オムレット」 税込40円(!)の行列オムレット。JR小倉駅近くの商店街に連日行列を作るのがこの店。直径5㎝ほどのスポンジに硬めのホイップクリームをはさんだだけのシンプルさが潔い、どこか昔懐かしい味わい。3~4個はパクパクいけそう。消費期限は当日。40円(1個税込)。福岡県北九州市小倉北区京町2-6-14。8~20時。定休日:元日。(※賞味・消費期限は、購入日を含めた日数です)撮影/深澤慎平※女性セブン2020年1月16・23日号
2020.01.14 07:00
女性セブン
田中圭、西島秀俊らイケメンがシチューや鍋CMに起用続く理由
田中圭、西島秀俊らイケメンがシチューや鍋CMに起用続く理由
 イケメンたちは”あったか料理”がよく似合う。今シーズン、シチューや鍋のCMにイケメン俳優が相次いで起用されているのだ。その理由とは? コラムニストのペリー荻野さんが解説する。 * * * 秋深し。テレビの世界もすっかり秋冬仕様になっているが、今シーズンに目立つのは、「あったか料理CM」で二枚目俳優たちが激突していることだ。 たとえば、シチュー。エスビーの「濃いシチュー」シリーズのキャラクターは、西島秀俊。雪が降る中、山小屋に薪を抱えて入ろうとすると、「ラクレットチーズ」と「純生クリーム」ふたつの商品を手にした後輩(伊藤淳史)に、「人生は選択の連続だと思うんです」とどっちの味がいいかと迫られる。 一方、ハウス食品の「北海道シチュー」は、山小屋にいる松坂桃李のところに荷物を持った彼女が「来ちゃった」とやってくる。一瞬、「なんで」と戸惑う(そりゃそうだ)桃李だが、「食べよか」とあたたかいシチューをふるまうのである。濃いシチューが男同士で人生を語れば、北海道シチューはラブストーリー仕立てでアピール。西島はドラマ『きのう何食べた?』で料理が得意なイメージができて一歩リードかと思ったが、松坂にはユーミンのBGMという強力な助っ人がいてシーンを盛り上げる。どちらも山小屋が舞台というのも面白い。夏のカレーは海。冬のシチューは山小屋なのである。 また、鍋関係も熱い。元気がいいのがエバラ食品「プチッと鍋」の瀬戸康史。「ちっちゃいのがポンと出てきて鍋になる~」と「1プチっと一人前」を合言葉に、手のひらにおさまるポーション容器から鍋の素を入れ、ひとりキムチ鍋をぐつぐつやったり、3人集まって3プチっとしてまたぐつぐつ。ミツカン「旬発見!キムチ鍋つゆ」は、高橋一生が鮭を使ってキムチ鍋を作って、妻や子供たちと堪能する。「鮭の甘みがきわだつ」とうれしそうだ。 さらに味の素「鍋キューブ」では、パーカを羽織った田中圭が「濃厚白湯」「うま辛キムチ」を手に「うわ、どっちだ。迷うなコレ」と言いつつ、両方をフーフーパクパクして「ダブルうめ~!」と叫んでいる。 これらのCMを観てつくづく感じるのは、「日本人は誰かが美味しく食べる姿を観るのが好き」ということだ。日本のテレビは、とにかく何かを食べている場面が多い。ドラマでは登場人物の食事シーンが欠かせないし、情報番組やお散歩番組では各地名物のグルメを紹介、夕方のニュースでもデパ地下の裏側やらB級グルメなどを特集する。 食レポという言葉もすっかり定着した。これほど食の場面が増えた理由は、殺伐した話も多い中で、「美味しい」というもっとも身近で共感を呼ぶ幸せをテレビに映し出せるからだろう。 商品のイメージアップと購買に直結するCMでは、その幸せな顔をいい男たちが見せる。解放感のある夏はアイスのCMなどでアイドルも走り回るが、冬場に自宅でじっくり味わうあったか料理CMは、おとな世代が担当する。家族や仲間がいるのもポイントだ。愛され男たちが「うめ~」と喜んだり、「ハイ、食べてみて」と鍋を差し出す姿を観る季節。令和最初の冬は、そんなイメージになったのである。
2019.10.25 16:00
NEWSポストセブン
歌手デビューしイケボとしても反響がある高橋一生
役者と歌手の「二刀流」が増加中、高橋一生・田中圭他多数
 イケメンで演技力も折り紙つきの俳優たちが今こぞって進出しているのが、歌謡界。自身が出演するドラマの 主題歌を歌ったり、ミュージカルで見事な歌唱力を披露したりと、歌手顔負けどころかもはや歌手そのものとして華々しく活躍している。 才能溢れたイケメンたちを集めた“マルチ俳優美術館”へようこそ。◆高橋一生(38才)今年4月、出演ドラマ『東京独身男子』(テレビ朝日系)の主題歌『きみに会いたい-Dance with you-』でデビュー。プロデュースは高橋が“敬愛する”というエレファントカシマシの宮本浩次だった。◆田中圭(35才)驚きの展開が話題となったドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)で役名・手塚翔太として主題歌『会いたいよ』をリリース。◆星野源(38才)俳優よりも歌手としてのデビューが先で、自身が出演したドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)の主題歌『恋』はダンスとともに社会現象に。◆菅田将暉(26才)歌手・米津玄師がプロデュースした『まちがいさがし』は各音楽配信サイトで1位に輝くなど実績充分。◆三浦春馬(29才)ミュージカル『キンキーブーツ』ではど派手なドラァグクイーンでのパワフルな歌唱が話題に。◆福山雅治(50才)『HELLO』『桜坂』『家族になろうよ』などヒットソングをいくつも生み出し、“歌手で俳優”の冠がピッタリ。◆桐谷健太(39才)CMで歌った『海の声』が爆発的ヒット。2016年にはNHK紅白歌合戦にも出場した。同CMでは多数の楽曲で美声を聴かせる。◆反町隆史(45才)1997年に『Forever』で歌手デビューし、同年末にはNHK紅白歌合戦出場も。『POISON ~言いたい事も言えないこんな世の中は~』は自身4枚目のシングル。◆織田裕二(51才)主演を務めた大ヒットシリーズ『踊る大捜査線』(フジテレビ系)主題歌の『Love Somebody』などドラマ主題歌も多数。◆藤木直人(47才)実は今年歌手デビュー20周年を迎えた大ベテラン。台湾など海外でもライブを開催し多くのファンを動員。※女性セブン2019年10月24日号
2019.10.16 07:00
女性セブン
番組公式HPより
『凪のお暇』は高橋一生の複雑な魅力を再発見する作品だった
 3か月の長丁場となれば、ひとりの俳優の魅力だけで視聴者を惹き付けるのはやはり難しい。いわゆる総合評価が極めて高かったのが『凪のお暇』。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が分析した。 * * * 今期話題のドラマ『凪のお暇』(TBS系金曜夜10時)がとうとう最終回を迎えました。まずは凪を演じた黒木華さんの演技が素晴らしかった。ふんわりと柔らかく綿飴のような人格の中に強い芯を隠し持った凪を見事に演じ切りました。 そしてやはり、総括としては「高橋一生」。この役者の不思議さについて、あらためて確認することになりました。他の人には置き換えられない、この人にしかできない役というものがあるのだな、と感じた視聴者も多かったのではないでしょうか。その意味でも、「高橋一生の魅力を再発見する」作品だったように思います。 高橋一生が演じた我聞慎二は、モラハラ気質。凪とつきあっていた時は彼女を奴隷のように見下しののしってばかり。一方、フラれた後は諦められきれずに凪を追いかけ、自分の思いが伝わらずに顔をクシャクシャにして泣きじゃくる。しかし仕事場では一見スマートに業務をこなし部下に的確に指示し、営業実績を上げていく。 という、いわば異質な性格が一人の中に混在している難しい人物。相手が誰かによって性格もスイッチしていくという役柄です。そんな慎二を演じるには一筋縄ではいきません。 特に、「自然に」演じるあたりがポイント。風変りで極端な人格を、周囲に溶け込ませ気づけば慎二という人の存在が自然に見えてくる力業。これは高橋さんにしかできない芸当かもしれません。「余人をもって代えがたい」という印象です。 だからこそ、よけい気になったのが前クール『東京独身男子』(テレビ朝日系)の時との大きな「違い」です。『東京独身男子』ではエリート気質の独身銀行マンを演じた高橋さん。スペックの高い二枚目という役が、スベりにスベッて見えました。演じているご本人もフィットしないのかノリが悪いのか、居心地悪そうで集中力が足りない風にすら見えました。もはや人気役者の勢いもこのあたりで打ち止めか、と感じた視聴者もいたはず。 ところが。 今回の演技のノリといったらどうでしょう!! 不死鳥のように息を吹き返しグイグイ視聴者を惹き付けて最後まで離さなかったのだから、すごい。 過去作品を振り返っても、高橋さんは「普通とはほど遠い人格」の役になると、必ずといっていいほど光を放ってきました。例えば『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(フジテレビ系)の引っ越し屋・佐引穣次は、金髪のねちねちしたイジメ野郎で、よくぞここまでひねくれた冷淡な性格を演じられるなという演技で際立っていました。『おんな城主 直虎』(NHK)の小野但馬守政次役では、屈折したツンデレキャラを貫き、圧巻の処刑シーンは「政次ロス」を巻き起こしました。『カルテット』(TBS系)の家森諭高役は、理屈っぽくてこだわりが強く、唐揚げにレモンをかけることを否定する独自理論を展開して話題に。いずれもハマリ役でした。 複雑で多面的で一筋縄ではいかない人物をやらせるとムチャクチャ輝くという希有な役者。高橋一生さんに、平凡というものを求めてはいけないのかもしれません。 さて、今回の作品ではもう一人、高橋さんの個性を輝かせたあの人の存在も忘れてはいけません。そう、安良城ゴンを演じた中村倫也さんです。表情を崩さず一定に保ち、セリフは低音で抑え目、何でも受け入れていく肯定性と生きたいように生きる自由をまさしくゴンが体現していて、慎二とゴンの鮮やかな対比を浮かび上がらせてくれました。 中村さんは演技プランや狙いをもってしっかりと役作りをして相手の個性を際立たせる、役者としての凄さも感じさせてくれました。 変人をやらせたらピカ一の高橋さんが、よき相棒に恵まれた今回の作品。役者の力量とともにキャスティングの妙、脚本、演出、音楽、すべてが美しいハーモニーを奏でたドラマだったと言えるでしょう。
2019.09.21 16:00
NEWSポストセブン

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NEWSポストセブン