スポーツ

相撲協会・理事選の鍵となる「二所ノ関一門の“変人横綱”」

元横綱・大乃国の芝田山親方(時事通信フォト)

 日馬富士暴行事件に絡む貴乃花親方の処分問題は、2018年初場所後に控える相撲協会の理事選にも影響する。「10席」の理事ポストを巡る椅子取りゲームは、各一門で繰り広げられている。かつて貴乃花親方が所属していた二所ノ関一門では、往年の名横綱と名大関による水面下での激しい差し手争いが行なわれているようだ。

 理事の当選ラインは8票ないし9票。20人の親方衆を抱える二所ノ関一門では、数のうえでは2人の理事を輩出できる計算になる。うち1枠は一門内での求心力が高く、協会ナンバー2の事業部長を務める尾車親方(元大関・琴風)で“当確”と目されているが、もう1席の行方が混沌としている。現在発売中の『週刊ポスト』(1月1日・5日合併号)の「角界100人相関図」を見ると、その状況が一目瞭然だ。

 もう一つの理事の枠は現在は二所ノ関親方(元大関・若嶋津)だが、10月に船橋市内の路上で倒れ、一時は意識不明の重体に陥った。一命は取り留めたものの11月の九州場所は“全休”し、現在も懸命の闘病中で、「理事を続けるのは難しい」(二所ノ関一門の親方)といわれる。その空席に座る最有力候補が現在は協会副理事の芝田山親方(元横綱・大乃国)で、当初は年内にも「次期理事候補」になると見られていた。ところがその雲行きが怪しくなっているという。

「九州場所中に開かれた一門会では、尾車親方が“二所ノ関親方は徐々に回復していると聞く。そんな中で次の候補を決めるのは失礼”と発言して、候補者決定は年明けに延期され、初場所中の会合で決めることになった」(前出の親方)

 背景には、一門内の引き締めが十分ではない状況がある。

「一門内には“隠れ貴乃花派”といわれる親方が数人いる。佐渡ヶ嶽親方(元関脇・琴ノ若)や、佐渡ヶ嶽部屋から独立した鳴戸親方(元大関・琴欧洲)らの若手親方は、貴乃花親方が掲げる相撲協会改革に理解を示しているといわれます。貴乃花親方の処分を巡って揺れている中で後任候補を決めようとすれば、そうした親方衆が反旗を翻す懸念が出てくる。慎重で知られる尾車親方はそれを心配したのでしょう」(同前)

 また、芝田山親方への「不安」もあるようだ。横綱・大乃国は千代の富士の53連勝を止めた一番で知られる一方、15日間出場した横綱として唯一の負け越しという不名誉な記録の持ち主でもある。

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン