古谷:けれども女性議員が活躍できない理由を日本が男性優位社会であることだけに求めるのはおかしい。女性が男性と対等かそれ以上に活躍している業界もある。たとえば、漫画業界がそう。作者が男か女かなんて関係ない。問われるのは画力と構成力。完全に実力の世界です。

舛添:音楽や芸術の世界もそうですね。

古谷:そうです。日本にも男女平等が達成された業界はたくさんある。海外の政界では女性も実力を正当に評価されるわけでしょう。

舛添:私が出会った欧州の議員を見ても、男だから、女だから、とは誰も見てない。優秀だから選挙に出て、結果を出すから何度も当選できる。性差でなく結果や成績でしか評価されません。

 その先駆けとなったのがイギリスのサッチャーです。中曽根元総理と一緒に会ったのですが性差を超えた意志の強さ、迫力があった。サッチャーという前例があるから現首相メイは非常にやりやすいでしょうね。

【PROFILE】ふるや・つねひら/1982年北海道生まれ。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。文筆家。主な著書に『左翼も右翼もウソばかり』『草食系のための対米自立論』『「意識高い系」の研究』。最新刊に『「道徳自警団」がニッポンを滅ぼす』。

【PROFILE】ますぞえ・よういち/1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。2001年参議院議員(自民党)に初当選し、厚生労働大臣等を歴任。2014年2月、都知事就任。2016年6月、辞任。辞任後初となる著書『都知事失格』が弊社より発売中。

※SAPIO2018年1・2月号

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