ワシはな、『お富さん』で大ヒットを飛ばした八ちゃん(故・春日八郎氏、1991年没)の葬儀で、弔辞を読んだことがあるんだ。
よく酒を飲む間柄だったから心を込めて読んだが、他人からすれば他愛もない内容じゃった。ところが、その時にたまたま風邪を引いていて、途中で鼻をすすったら、有名な作曲家の先生たちが“あの金田が泣いてるぞ”と揃って感動してくれた。
よき弔辞とは、鼻をすすりながら読むこと! 中身はワシの偉業を褒め称えとけばいい。兆治がワシの葬式に合わせて、風邪を引いてくれればいいんじゃが。
※週刊ポスト2018年5月4・11日号