白血病で命を落とした著名人は少なくない。女優の夏目雅子さん(享年27)、歌手の本田美奈子.さん(享年38)、お笑い芸人・カンニングの中島忠幸さん(享年35)らは、若くして白血病となり帰らぬ人となった。
その一方で、克服して復帰した著名人も大勢いる。池江選手の告白を受けて、すぐに《前を向いて焦らずにしっかり治療に専念して下さい》と応援ツイートをした渡辺謙(59才)や女優の吉井怜(36才)らは、闘病を経て仕事を再開させている。
「残念ながら白血病に完治という言葉はあまり使いません。しかし、非常に効果のある抗がん剤も開発されており、一時的あるいは継続的な軽減状態である“寛解状態”には持っていけます。その後、以前と同じ生活を送ることも可能です。
渡辺謙さんは再発も経験していますが、経過は良好で仕事をされていますよね。池江さんの今後ですが、治療期間は入院して3か月から6か月程度は必要ですが、うまくいけば東京五輪に間に合う可能性は充分あると思います。実際アスリートでも白血病から復帰した人は少なくありません」(秋津さん)
サッカーJ2のアルビレックス新潟に所属する早川史哉選手(25才)は、2016年5月に白血病と診断されたが、約2年半の闘病を経て昨年末に復帰している。
「早川選手は22才という若さで骨髄性の急性白血病がわかり、その後骨髄移植や抗がん剤治療を経て復帰しました。彼はまだ寛解状態ではなく、“経過観察などの治療は継続”という状態ですが、クラブは《トップレベルに十分対応できるフィジカルであることを確認》と発表しました」(前出・スポーツ紙記者)
ただし完治という言葉が使いにくい病気ゆえ、復帰後は不安との闘いが待っているという。
「池江さんはアスリートだから、わずかな体調の変化にも気づき、早期発見に繋がったとみられています。その一方で、アスリートゆえ今後は体調の変化に、より敏感になってしまう。これまでは“ただの筋肉痛”と思っていたものを“再発したのか”と考えるようになるということです。以前とまったく一緒の状態に戻るには、乗り越えないといけない壁は低くありません」(前出・スポーツ紙記者)
水泳連盟の会見でも発表されたように、現在の池江選手は至って前向きだという。支えてくれる家族がいるからだ。
特に母親の美由紀さんの存在は大きいという。
「幼児教育の会社の代表をしている美由紀さんはとにかく認めて、褒めて、愛して育てるのが教育方針。幼少の頃から璃花子さんにはポジティブな言葉をかけ続けてきて、“できない”という言葉を使ったことがありません。病気発覚後、美由紀さんと璃花子さんの兄と姉ら家族は動揺しましたが、すぐに闘病モードに頭を切り替えています。美由紀さんは海外遠征などにもついていき、常に璃花子さんのそばにいた。今後、講演活動などをキャンセルして、娘さんのサポートに専念する体制を整える予定です」(池江家の関係者)
もう一度水の中へ。強くそう願い、母と娘は闘う。
※女性セブン2019年2月28日号