香港の海沿いの高級住宅地に2000年以降、建設された200軒以上の豪邸が違法建築で、その所有者の大半が中国大陸の出身者であることが明らかになった。香港当局は無許可で建設された違法性の高い建築物として撤去命令を出している。香港のニュースウェブサイト「香港フリープレス」が報じた。
香港島東部の海沿いにある高級住宅地「レッド・ヒル」地区には85軒の豪邸が建っているが、香港政府建築局と土地局の合同調査によると、そのうちの70軒が違法建築であるという。
9月初めに香港を襲った台風による記録的豪雨で、大半の豪邸が地滑りなどの被害を受けたことから、両局が合同で大規模な調査を実施。建築を許可していない土地に邸宅が建設されていたり、無許可でプールを作ったり、2階建ての制限がある土地であるにかかわらず3階以上の建物が建てられていたりなどの、違法行為が見つかった。
このなかでも、特に悪質な4軒の違法建築物の所有者に「違法建築物撤去命令」が出されたという。
また、他の66軒についても、無許可の地下室や壁の破損などがあり、建物の構造的安全性に高いリスクをもたらす恐れがあることが分かった。また、このうちの40軒が香港政府の所有地を不法に占拠していることも判明している。
このため、両局の当局者は、「必要であれば、法律に従って権限を行使し、2つの部局が検査と証拠収集のために家屋に立ち入ることができるようにする」と警告している。
さらに、香港政府開発局の調査部門は「香港全体で、高級住宅団地における無許可工事や不法占拠の可能性がある物件を173件確認した。これらの無許可工事はレッド・ヒルと同じ安全上のリスクがある」と発表した。これらの建物の所有者の大半も2000年以降、中国大陸から移住してきた市民だという。