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安倍晋三氏 保身上手な金総書記は北朝鮮を暴走させぬと語る

政権交代後、進展が見られない拉致問題。これまでも北朝鮮は6か国協議の参加国を翻弄してきた。彼らとの交渉に何が必要なのか。長年、この問題に最前線で関わってきた安倍晋三・元首相に聞いた。以下は、安倍氏の提言である。

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対北朝鮮の外交方針の基本は、圧力に軸足を置いた「対話と圧力」だ。対話することに重点を置くと、「会ってあげるから何かよこせ」となる。対話することに条件を提示するのが北朝鮮の交渉術である。

2002年1月のブッシュ大統領による一般教書演説でイラク、イランと並んで「悪の枢軸」と称されたことに北朝鮮は震え上がり、小泉訪朝を受け入れた。北朝鮮を動かすには圧力しかないのである。

しかし、「経済制裁をすると北朝鮮は暴発する」と日本のメディアや学者は盛んに喧伝する。これは北朝鮮の情報工作がもたらした真っ赤な嘘だ。

私は自民党幹事長時代に法律を整備して北朝鮮に経済制裁を加えた。「そんなことをしたらミサイルが飛んでくる」と危惧する学者も多かったが、法律を国会に出すと彼らは直ちに二度目の小泉訪朝を受け入れた。

2002年の小泉訪朝に同行して金総書記と面会した時、頭は良く、合理的判断のできる人物だと思った。金総書記はGPSによる追跡を恐れて側近に携帯電話を持たせず、アメリカがイラクを攻撃したのちは身を案じて50日間姿をくらませる。保身のために細心の注意を払う人物なのである。そんな指導者がわが身の破滅を招くような暴発などするはずがない。

※SAPIO2010年10月13・20日号

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