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自民党議員と自衛官 国防意識ない民主党と蓮舫大臣を批判

「北朝鮮有事」はいつ起きても不思議ではない状況にある。もし武力衝突となれば、国民の命と財産を守る最前線に立つのは、他ならぬ自衛隊だ。自民党国防族議員A氏の呼びかけに集まった、いずれも佐官クラスの陸自B氏、海自C氏、空自D氏の座談会で、激論が交わされた。

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陸自B:「菅内閣は尖閣諸島で起きた中国漁船の海保巡視船への公務執行妨害事件で、船長逮捕の許可を出すのに半日もモタモタしていた。たとえ国家間が緊張しても、今の民主党政権には、具体的な敵の行動以前に自衛隊への出動命令など出せないと考えておいたほうがいい」

海自C:「命令がなければ訓練名目で出るしかない。訓練飛行機は実弾を積んでいないし、艦船も訓練の場合は実弾の搭載数が限定される。対して向こうは戦争するために出てくるのだから十分な実弾を持っている。戦闘能力では日本がはるかに上でも、弾切れではシャレにならない」

陸自B:「海自や空自は領海警備や領空警備の任務が定められているからまだいいよ。陸自には領域警備が認められていない。テロ対応の教訓となった地下鉄サリン事件の際に陸自の化学防護隊が出動したが、地下鉄に入る時に先導したのは警察官らしい。隊員が『先に入りましょう』と言っても、警察は『民間の方に危険なところに先に行かせるわけにはいきません』と言ったって(一同、『自衛隊員は民間人かよ』と失笑)。
 相手が北朝鮮の国旗をつけて原発をテロ攻撃してくればすぐに治安出動や防衛出動となるでしょうが、敵かどうかすらはっきりしない段階では、一義的には警察力での対応となる。それで手遅れとなるかもしれない。

空自D:「そのあたりの法整備が非常に遅れているように思います」

海自C:「昨年4 月に北が“人工衛星”を発射する前、イージス艦2 隻が日本海の公海上で警戒態勢をとった。その時、北のミグ23戦闘機が接近する事態があった。これが米国など他国であれば迎撃ミサイルでミグをロックオンして警告を発し、追い払うのだろうが、日本は公海上では何もできない。相手が攻撃してくれば別だが、それは敵もわかっているから、偵察され放題、北のやりたい放題だった」

国防族A:「有事法制については自民党政権下で整備を進めたつもりだが、具体的なROE(交戦規定。日本では部隊行動基準)などはまだまだ不十分だと忸怩たる思いがある」

陸自B:「民主党はそれ以前に、国防への認識が決定的に欠けている。政権を取った後すぐにインド洋の給油活動から自衛隊を帰国させたことは政治判断だから我々が論評すべきではないが、昨年末に策定する予定だった中期防衛力整備計画(中期防)を、政権を取ったばかりだからと言って1 年先送りした上、未だに議論が進んでいないのは……」

空自D:「蓮舫大臣は仕分けで無駄を省くと騒いでいるけど、政府がどんな考え方で防衛力を整備するかという方針がないまま、無駄かどうかを判断されてはたまらない」

※SAPIO2010年10月13・20日号

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