国内

小沢一郎氏「検察は政治活動に干渉するべきでない」と主張

『小沢一郎 嫌われる伝説』の著者・渡辺乾介氏による小沢一郎氏インタビューのなかで、話は検察および司法改革に及んだ。検察の裏金問題を告発した元大阪高検公安部長・三井環さんが挙げた課題に対して、小沢氏は持論を展開する。

 * * *
――検察の裏金問題を告発した三井環さん(元大阪高検公安部長)は、検察および司法改革について、取り調べ可視化とは別に、4点の課題を挙げました。

【1】検察が押収した証拠品目録と、証拠提出しなかった残記録の全面開示。冤罪を証明できたケースでは、偶然出てきた残記録のおかげであったということが非常に多い。
【2】最高検や高検検事長や地検検事長を選挙で民間人から選び、さらに選挙で選ぶ新しい検察審査会をつくる。
【3】裁判官と検事の人事交流の禁止。
【4】検察の裏金問題の解明。

小沢:「そういった専門的な立場からのお考えは、それはそれでいいと思うけれども、僕自身は政治家として、政治活動に公権力が干渉することはよろしくない、というのが基本の考え方です。

 今ある制度は制度として守らなければいけないからしようがないですけれども、例えば欧米では、政治活動を指導、監督するのは、選挙委員会とか、独立した委員会であって、官憲が直接政治に入ってこない仕組みになっている。政治活動は民主主義の根本だから、公権力が干渉しないように、という仕組みになっているわけです。確かに、その仕組みは民主主義の原理に適っている。だから、基本的に日本もそういう仕組みにした方がいいんじゃないかなと思います。

 もちろん、一般の事件や検察、裁判所のあり方がどうかという問題は、今お伺いしたお話の延長線上にあるんだろうと思います。ただ、僕は政治家だから、政治のことをいえば、政治は主権者たる国民の最大の権利、拠り所である以上、やはり全てについて、あくまでも主権者のみが判断し得るということを基本に制度をつくるべきだと思っています。そうしないと、日本に真の民主主義、議会制民主主義は定着しないのではないでしょうか」

※週刊ポスト2011年1月21日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「夢みる光源氏」展を鑑賞される愛子さま
【9割賛成の調査結果も】女性天皇についての議論は膠着状態 結婚に関して身動きが取れない愛子さまが卒論に選んだ「生涯未婚の内親王」
女性セブン
勝負強さは健在のDeNA筒香嘉智(時事通信フォト)
DeNA筒香嘉智、日本復帰で即大活躍のウラにチームメイトの“粋な計らい” 主砲・牧秀悟が音頭を取った「チャラい歓迎」
週刊ポスト
『虎に翼』の公式Xより
ドラマ通が選ぶ「最高の弁護士ドラマ」ランキング 圧倒的1位は『リーガル・ハイ』、キャラクターの濃さも話の密度も圧倒的
女性セブン
羽生結弦のライバルであるチェンが衝撃論文
《羽生結弦の永遠のライバル》ネイサン・チェンが衝撃の卒業論文 題材は羽生と同じくフィギュアスケートでも視点は正反対
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
撮影前には清掃員に“弟子入り”。終了後には太鼓判を押されたという(時事通信フォト)
《役所広司主演『PERFECT DAYS』でも注目》渋谷区が開催する「公衆トイレツアー」が人気、“おもてなし文化の象徴”と見立て企画が始まる
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン