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特養老人ホーム入所への待機期間は平均1年3か月、最長11年

「介護の不安」のアンケート調査によれば、4人に1人が「希望する介護施設に入れない」ことを挙げている。なかでも、入所待ちの高齢者が行列を作っているのが、特別養護老人ホームだ。なぜ特養ホームには行列ができるのか?

地方自治体や社会福祉法人が運営する特別養護老人ホーム(特養)では、介護保険制度で定められた施設サービスを受けられる。人気の理由は、何といっても費用の安さにある。公的補助が出る介護保険施設なので、月額の利用料は居住費や食費、介護保険の自己負担分を含めて10万円程度と、介護付き有料老人ホームなどと比べて圧倒的に安い。それでも、食事、入浴、排せつ介助のほか、生活支援や健康管理、緊急時対応などのサービスは、介護付き有料老人ホームと同内容だ。

また、特養には要介護度の高い高齢者が入れるため、実際、(5段階で)要介護3以上の人が入所者の9割近くを占める。最期を看取ってくれる「終の棲家」であることも申込者が多い理由だ。しかし、希望者が殺到しているので、入所の順番待ちは長蛇の列になっている。

厚労省の調査によれば、2009年12月時点の入所申込者(待機者)は、定員とほぼ同数の約42万人。野村総合研究所の昨年3月の報告書によると、申し込みから入所までの平均期間は1年3か月、最長11年だった。施設ごとにも待機者の数は異なる。一般にどんな施設が人気なのだろうか?

「国が定めた介護士配置基準は、高齢者3人に対して介護士1人。現在、多くの施設はおおよそ2.5人対1人といわれますが、中には2対1や、個室を取り入れて1.8対1というところもあります。介護士が多い施設は人気が高く、ますます入るのが難しくなっています」(社会保障論が専門の結城康博・淑徳大学准教授)

※週刊ポスト2011年2月18日号

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