ライフ

離婚を優位に進めるには「調停委員」を味方につけるのが大事

欧米並みに日本も離婚者数が増えたことにより、社会的にも離婚をタブー視しない風潮になったことで、離婚がしやすくなったともいわれているが、中には泥沼化するケースも。これから紹介するのは、ライターのR子さんの実体験による泥沼離婚調停ドキュメントだ。

* * *
3組に1組は離婚する時代と何かで読んで知ってはいたし、周りの友人が離婚したと聞いても驚かなくなっていたが、まさか自分が当事者になるとは…。私たち夫婦は、仲良くフツーに暮らしていると、その日まで私は固く信じていた。そんなある日、7年間連れ添った夫からいきなり離婚を切り出されたのだ。

「離婚してほしい」
「なんで? 他に好きな女の人ができたの?」
「そうじゃない。単なる性格の不一致。もうお前とは一緒に暮らしたくないんだ」
「えっ? マンションも買ったばかりだし、そんなの納得いくわけないじゃん! 絶対にしない」
「でも、もう決めたから」

数日後、夫は帰宅しなくなり、4か月後に夫の弁護士から内容証明が、その数週間後に家庭裁判所から封書が届く。夫が調停離婚を申し立てたのだ。あわてて弁護士に相談に行くと、「理由がないなら、離婚は通らないからつっぱねてれば大丈夫ですよ。まあ、相手のいい分を聞いてみましょう。それからですね、対応は」。

ちょっと呑気な感じはしたものの、法律のプロにそういわれて少し安心した私は、数週間後、何の準備もせぬまま第1回の調停に臨んだ。

相手方控室で待つこと約1時間。調停委員が迎えに来て、調停室に通される。調停委員は老齢に近い男女。男性の調停委員の最初の言葉に唖然とする!

「旦那さんは、そうとう追いつめられていたみたいですね。男性の赤裸々な感情がココに吐露されていますよ」

ココとは、夫が調停委員に向けて書いた申立書。そこにはA4用紙何枚にもわたって私の悪口としかいいようのない内容が書かれていた。掃除はしない、料理は手抜き、病気になっても心配しない、買い物好きの浪費癖…。誰が読んでも、絵に描いたような悪妻そのもの。ご丁寧に雑誌を乱雑に重ねたリビングのコーナーなどの写真やブランドもののバッグの領収書なども写真を撮って貼り付けてある。

私の怒りは爆発寸前!

「一緒に暮らしていれば、いろいろ不満はあります。夫のこともそういった欠点をいい出したらきりがない。酔っ払って帰ってきて、お風呂にもはいらないで寝たり…」

「じゃあ、結婚生活は破たんしているんですね?」と調停委員。

「そんなことをいっているんじゃありません!」。声を荒らげる私…。

初老の男性調停委員はすっかり夫に洗脳されてしまっている。こんな調停で人生を決められたらかなわない! しかし、用意周到に準備をしていた夫の前に私はなすすべがない。

自分の甘さに腹を立てつつも現在、第4回の調停に向け弁護士と態勢を立て直しているのだが、離婚は先手必勝なのかも。この争い、泥沼化しそう…。

※女性セブン2011年3月24日号

関連キーワード

トピックス

大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
“進次郎劇場”で自民党への逆風は止まったか
《進次郎劇場で支持率反転》自民党内に高まる「衆参ダブル選挙をやれば勝てる」の声 自民党の参院選情勢調査では与党で61議席、過半数を12議席上回る予測
週刊ポスト
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト