国内

「ただちに影響ない」の言葉こそ疑うべきと阪大名誉教授

 福島第一原発事故の影響で、放射性物質による汚染が危惧されるなか、関東地方の水道水には放射性ヨウ素が検出された。その汚染は野菜や農作物にも及んでいる。

 枝野幸男官房長官は、現在検出されている数値であれば、水や野菜を摂取しても、「ただちに影響はない」とさかんに口にしている。官房長官のみならず専門家もたびたび口にするが、しかし、これこそ疑うべきだと、野村大成大阪大学名誉教授はいう。

「枝野官房長官や原子力安全・保安院による“ただちに健康に影響はない”というのは、事故のたびに国民を安心させるため使われる言葉。欺くための言葉に聞こえます。すぐわかる影響、すなわち急性障害への懸念は、これまでの事故例でも、現場の作業員や救援等で現場に立ち入り大量被曝(1000ミリシーベルト以上)したかたたちに限られます。住民にとって問題になってくるのは、“忘れたころにやってくる体内被曝”なんです」

 水や野菜など食物を介して体内に放射性物質がはいり込んで起こる体内被曝。放射性物質の中には種類により体内の特定の臓器に集中的に蓄積されるものもあり、摂取し続けることによって、長期間、体の中から放射線を浴び続けることになる。今回、検出された放射性ヨウ素もそのひとつだ。前出の野村名誉教授はこう説明する。

「セシウムは半減期が30年と長いですが、体外へと排出されやすいので、そこまで問題ではありません。住民、特に幼児にとって問題なのはヨウ素131という放射性物質。半減期は8日間と短いのですが、甲状腺に集中して集まってしまうので、子供の成長に最も重要な甲状腺の大量被曝につながります。成長期の子供にとってその危険性は無視できません。細胞分裂が盛んで、大人よりも放射線による影響を2~3倍も受けてしまうんです」

※女性セブン2011年4月14日号

関連キーワード

トピックス

大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
理論派として評価されていた桑田真澄二軍監督
《巨人・桑田真澄二軍監督“追放”のなぜ》阿部監督ラストイヤーに“次期監督候補”が退団する「複雑なチーム内力学」 ポスト阿部候補は原辰徳氏、高橋由伸氏、松井秀喜氏の3人に絞られる
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン
(公式インスタグラムより)
『ぼくたちん家』ついにLGBTのラブストーリーがプライム帯に進出 BLとの違いは? なぜ他の恋愛ドラマより量産される? 
NEWSポストセブン
メキシコの有名美女インフルエンサーが殺人などの罪で起訴された(Instagramより)
《麻薬カルテルの縄張り争いで婚約者を銃殺か》メキシコの有名美女インフルエンサーを米当局が第一級殺人などの罪で起訴、事件現場で「迷彩服を着て何発も発砲し…」
NEWSポストセブン
「手話のまち 東京国際ろう芸術祭」に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年11月6日、撮影/JMPA)
「耳の先まで美しい」佳子さま、アースカラーのブラウンジャケットにブルーのワンピ 耳に光るのは「金継ぎ」のイヤリング
NEWSポストセブン
逮捕された鈴木沙月容疑者
「もうげんかい、ごめんね弱くて」生後3か月の娘を浴槽内でメッタ刺し…“車椅子インフルエンサー”(28)犯行自白2時間前のインスタ投稿「もうSNSは続けることはないかな」
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
《出所後の“激痩せ姿”を目撃》芸能活動再開の俳優・新井浩文、仮出所後に明かした“復帰への覚悟”「ウチも性格上、ぱぁーっと言いたいタイプなんですけど」
NEWSポストセブン
”ネグレクト疑い”で逮捕された若い夫婦の裏になにが──
《2児ママと“首タトゥーの男”が育児放棄疑い》「こんなにタトゥーなんてなかった」キャバ嬢時代の元同僚が明かす北島エリカ容疑者の“意外な人物像”「男の影響なのかな…」
NEWSポストセブン
滋賀県草津市で開催された全国障害者スポーツ大会を訪れた秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
《“透け感ワンピース”は6万9300円》佳子さま着用のミントグリーンの1着に注目集まる 識者は「皇室にコーディネーターのような存在がいるかどうかは分かりません」と解説
NEWSポストセブン
真美子さんのバッグに付けられていたマスコットが話題に(左・中央/時事通信フォト、右・Instagramより)
《大谷翔平の隣で真美子さんが“推し活”か》バッグにぶら下がっていたのは「BTS・Vの大きなぬいぐるみ」か…夫は「3か月前にツーショット」
NEWSポストセブン