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「ヤバい時はスイス・フランを買え!」の根拠とは?

 世界の基軸通貨である米ドルは、外国為替市場での売買シェアが約42.5%と取引量も世界最大だ。では、その他の通貨はどうなのか。ここでは、外為どっとコム総研代表取締役社長・主席研究員の植野大作氏が、「欧州3大通貨」のひとつ、スイス・フランの値動きの特徴を解説する。

 * * *
 スイス・フランは世界全体の為替売買の約3.2%を占める取引量6位の通貨です。

 地政学的にみると、スイスは四方を全てユーロ参加国に囲まれた山国であり、ユーロ経済圏とのヒト、モノ、カネの流れを通じた繋がりが非常に密接です。このため、平時におけるスイス・フランは「ユーロの衛星国通貨」のような動きとなって、対ドル相場や対円相場はユーロにほぼ連動するという特徴があります。

 ただし、スイスは、【1】EUに加盟していない、【2】軍事的に永世中立国を標榜している、【3】伝統的に低インフレ体質で経常収支が黒字の債権国である、などの理由から、大規模な国際テロや軍事紛争が勃発したときや、ユーロ圏の金融市場が何らかの理由で混乱に陥ったりしたときには、「リスク回避目的の疎開先通貨」として、一時的にせよ「有事のスイス・フラン買い」の対象になることもあります。

「世界的な超大金持ちや有名人の匿名資産がスイスの銀行に保蔵されているらしい」といったイメージも「有事のスイス・フラン買い」の背景になっているとの指摘もあります。

※マネーポスト2011年3月号

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