国際情報

ビジネス英語で「Please」多用すると慇懃無礼になるので要注意

 学校で習った英語を、きちんと文法通りに話す――それがビジネスの現場では、思わぬトラブルを引き起こしかねない。同時通訳者・関谷英里子氏が解説する。

 * * *
(1)「月曜の朝までにお返事をいただきたい」

<NGフレーズ>
Please reply to this e-mail until Monday morning.

<OKフレーズ>
It would be great if you could give us a reply until Monday morning.

 中学校で習ったpleaseを多用するのは、ビジネス上では慇懃無礼と思われたり、懇願しているように聞こえてしまう場合があります。NGフレーズは、いわば「返事してよね」といったニュアンスで聞こえ、尊大な態度をとっていると誤解されるかもしれません。先ほどのケースと同様、 It would be great if~を使えば大丈夫です。

(2)「我々は1万台を目標としています」

<NGフレーズ>
We will do our best to sell 10,000 units.

<OKフレーズ>
We aim to sell 10,000 units.

 全力を尽くす、頑張りますという意味で学校で習った「do our best」。実は、社会人1年目に私自身が経験した忘れられない「NGフレーズ」です。

 外国人の仕事相手に「(期待に応えられるよう)頑張ります」と伝えようとして、「We will do our best」と言った瞬間、「あなたの尽くすベストに興味はない。結果を出せ」と厳しく言われたのです。
 
こうした場合、「aim」を使ったほうが、目指す先に「結果」がある印象が伝わります。狙いを定め、計画を立てて実行する、という印象を与える言葉です。
 
(3)「もう少しゆっくり話していただけますか?」

<NGフレーズ>
I am not good at listening.

<OKフレーズ>
Could you speak a little slower?

 相手が話す英語が聞き取れない時、「ヒアリングが苦手なので……」と伝えるケースです。よく、「I am not good at listening」と言う方がいますが、これは「私は人の話を聞くのが苦手です」というニュアンス。注意散漫な人、一方的に話す人という印象を与えます。「苦手」とわざわざ言う必要はなく「ゆっくり話してください」でいいのです。

 ビジネスの現場での英語は学校で習う英語と違い、「和文英訳」の発想になってはいけません。ネイティブの方と英文メールをやりとりする機会も増えていると思いますが、それは「ネイティブの感覚」を磨くチャンスです。相手がどんな言葉を使っているのか、改めてチェックして、自分でも使ってみてください。

※SAPIO2011年4月20日号


関連記事

トピックス

中国でライブをおこなった歌手・BENI(Instagramより)
《歌手・BENI(39)の中国公演が無事に開催されたワケ》浜崎あゆみ、大槻マキ…中国側の“日本のエンタメ弾圧”相次ぐなかでなぜ「地域によって違いがある」
NEWSポストセブン
渡邊渚アナのエッセイ連載『ひたむきに咲く』
「世界から『日本は男性の性欲に甘い国』と言われている」 渡邊渚さんが「日本で多発する性的搾取」について思うこと
NEWSポストセブン
 チャリティー上映会に天皇皇后両陛下の長女・愛子さまが出席された(2025年11月27日、撮影/JMPA)
《板垣李光人と同級生トークも》愛子さま、アニメ映画『ペリリュー』上映会に グレーのセットアップでメンズライクコーデで魅せた
NEWSポストセブン
リ・グァンホ容疑者
《拷問動画で主犯格逮捕》“闇バイト”をした韓国の大学生が拷問でショック死「電気ショックや殴打」「全身がアザだらけで真っ黒に」…リ・グァンホ容疑者の“壮絶犯罪手口”
NEWSポストセブン
“ミヤコレ”の愛称で親しまれる都プロにスキャンダル報道(gettyimages)
《顔を伏せて恥ずかしそうに…》“コーチの股間タッチ”報道で謝罪の都玲華(21)、「サバい〜」SNSに投稿していた親密ショット…「両親を悲しませることはできない」原点に立ち返る“親子二人三脚の日々”
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
「山健組組長がヒットマンに」「ケーキ片手に発砲」「ラーメン店店主銃撃」公判がまったく進まない“重大事件の現在”《山口組分裂抗争終結後に残された謎》
NEWSポストセブン
ガーリーなファッションに注目が集まっている秋篠宮妃の紀子さま(時事通信フォト)
《ただの女性アナファッションではない》紀子さま「アラ還でもハート柄」の“技あり”ガーリースーツの着こなし、若き日は“ナマズの婚約指輪”のオーダーしたオシャレ上級者
NEWSポストセブン
財務省の「隠された不祥事リスト」を入手(時事通信フォト)
《スクープ公開》財務省「隠された不祥事リスト」入手 過去1年の間にも警察から遺失物を詐取しようとした大阪税関職員、神戸税関の職員はアワビを“密漁”、500万円貸付け受け「利益供与」で処分
週刊ポスト
世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン