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福島県民同士でも放射能差別 友達になろうとしても逃げられる

 福島第一原発事故のため、福島県から他県へと避難した人々が、「放射能がうつる!」など風評被害を受けるケースが報告されているが、こうした“放射能差別”は福島県民同士でも起きている。自民党県第一選挙区支部長で前・衆議院議員の亀岡偉民氏の話。

「原発事故のために避難所生活をしている親御さんから、“うちの子はいじめに遭わないかしら?”という相談をよく受けます。避難してきた子供たちが、地元のクラスの子と友達になろうと思っても、近寄ってきてくれない。こちらから近づくと逃げていってしまう。結果的に仲間外れになってしまうという現象が、福島県内でも起きているんです」

 地元の子供たちに“差別している”という意識はなくても、結果的に悲しい思いをしている子供たちを生んでしまう。その原因のひとつは親にあると亀岡さんはいう。

「先生がたには“放射能がうつることはない”ときちんと教えるようにお願いしています。でも、子供は家庭で両親が過剰に放射能の怖さや誤った内容を話しているのを聞いているのです」

 大人の「放射能無知」が子供たちにも伝わってしまう。このようなあ然とする差別をなくすためには、「大人が正しい知識を学ぶことが大切」というのは、独立行政法人放射線医学総合研究所(放医研)博士の柿沼志津子氏だ。

「福島県のかたたちが、周囲に放射線の影響を与えることはありません。万が一、放射性物質を除去する“除染”が必要な基準値(10万cpm=400ベクレル/平方センチメートル)に達した人と接したとしても、健康被害を起こすなどの影響はありません。現段階では除染が必要なかたはいらっしゃいませんので、心配はありません。放射線を浴びる危険性がもっとも高いのは原発の作業員といえますが、防護服にマスクで防護していることもあり、放医研が行っている汚染検査でも除染の必要な作業員は見つかっていません(3月24日にタービン建屋の水に浸かって局所被ばくした2人の作業員を除く)」

※女性セブン2011年5月5日号

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