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千葉女子学生殺害事件被告 女は強姦でうれし泣きと信じ込む

 千葉県松戸市で起きた、千葉大女子学生殺人の判決は「死刑」。被告人・竪山辰美(50歳)の「生」と「性」とは――。作家の山藤章一郎氏が報告する。

 * * *
 犯歴は18歳から始まった。〈傷害、詐欺〉中等少年院送致。20歳で〈窃盗〉。懲役1年執行猶予3年。23歳で、駐車場で車に乗る女を押しこみ、「殺すぞ」と脅し、自分の部屋に連れて行って強姦。2万3300円と、通帳、カードを奪って懲役7年。

 41歳で、21歳の女のマンションに侵入。「騒ぐと殺す」と脅し、5万7000円とカード1枚を強奪。これが月形刑務所の服役7年となった。友里さん殺害の2週前にも、竪山は同様の手口〈住居侵入〉〈強盗強姦〉を犯している。
 
 検察側冒頭陳述より――。

「出所37日後、被告人は61歳の夫婦、31歳の娘・泰子さん(仮名)の住む一軒家に侵入した。母親の顔面を殴り、頭部、腹部を蹴り」「その後帰宅した娘・泰子さんの頭部、顔面を殴り、『カネを出せ。ちゃんと正しい番号を教えないと殺すぞ』」

「現金1万6000円、キャッシュカード1枚、クレジットカード3枚、定期などの入った財布入りのバッグを強奪した。

 その後、同人を駐車場まで連行。車の後部荷台に押し込め、途中のコンビニで55万円を引きだし、走行距離約19.1キロ、約2時間半連れ回して、抵抗のできない状態の同人を姦淫した。DNA鑑定で、キャミソールにかかった同人の吐きだした唾液に被告人の精液が含まれていた」(住居侵入、強盗致傷、強盗強姦、監禁)

 この強姦について、被告人が弁護人に答える。

「7年の禁欲生活で女性に対する興味が強かった。どうせ(女は)やられたってすぐ忘れる」

 茶髪の女検察官が問いただす。

「あなたね、強姦の原因、7年の禁欲生活って言ってますけど、出所した9月1日から10月1日まで、68万くらい使ってますよね。キャバクラ、テレクラ、援助交際に。それでも、長年の禁欲生活で強姦したっていうんですか。あなた、強姦の前科ありますね」

 女検察官に、男の〈7年の禁欲生活〉の溜まりは、通じない。

「殺すぞ」と脅して、カネとカードを奪い、強姦する。竪山の手口は呆れるほどこの繰り返しである。

 強姦が常習めいてきた理由と体験を公判で供述した。

 少年院に入る前の18歳のころ、母親の弟・叔父らのグループと交友していた。

 車で町に出て「あの女をナンパしてこい」といわれる。女がうまくついて来ると車に乗せる。運転する大人が「いやあ、私は送って行くだけだから」と騙し、アパートに連れ込んで皆で強姦した。

 可哀そうだからと、少年の竪山が逃がしてやったことがあった。大人たちに殴られた。以降、ナンパで連れ込む強姦を繰り返した。

 被告人は女性検察官に答える。

「叔父のその友達は強姦専門でした」「なんどもやったが、みんなはじめは嫌々といい、あとで、いいといった」

 何人の女を強姦したか覚えていない。殴って蹴って、本当に厭がったのはひとりだけだった。強姦してやると女はうれし泣きするものだ。長いあいだそう思ってきた。

※週刊ポスト2011年7月15日号

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