国内

地デジ化 つまらない番組で大儲けするためのTV局と役人の策

 7月24日、テレビは地デジへと移行される。諸外国のように、衛星放送やケーブルテレビという選択肢もあったのではないか、という指摘もある。

 しかし、そこには利権が存在する。衛星で見ることができれば地方ローカル局は存在価値がまったくなくなる。当然、キー局と地方局によるテレビ局ピラミッドの利権構図も崩れることになる。だから、日本では最初から、放送のデジタル化は地上波以外の選択肢は検討もされなかったのだ。

 地デジ化の方式が議論された当時(1990年代初頭)の総務省放送行政局長を直撃すると、「衛星など俎上に上ったことはなく、放送のデジタル化は地上波以外に考えていなかった」と告白した。地デジ化政策に詳しい、福井秀夫・政策研究大学院大学教授がいう。

「欧米のようにケーブルテレビや衛星放送といった地上波以外のメディアが成熟している社会では、国民は多様な番組を主体的に選択している。一方の日本では、番組もスポンサーも地上波が独占する構図があり、それがコンテンツの充実を妨げている。

 番組が増えれば、それだけ競争が起き、質の向上に繋がる。知る権利も含めて、国民利益に適うメディア本来の在り方ですが、作るほうは既得権が安泰ではなくなる」

 つまり、「地」デジ化とは、つまらない番組で大儲けするためのテレビ局と役人の策略だったのである。

※週刊ポスト2011年7月15日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト