ライフ

水虫だと判断し一週間薬塗って治らなければ他の病気の恐れも

 日本人の5人に1人といわれる水虫患者だが、ジクジク、カサカサ、かゆみなど症状は人それぞれ。大半は市販薬で治療しているが、中には水虫以外の病気なのに水虫薬を用い、症状を悪化させているケースもあるなど、水虫に関して「常識」としていわれていることには誤解も多い。水虫の原因である白癬菌がいるかを皮膚科専門医に検査してもらい、適切な治療をするのが完治への近道だ。

 水虫は白癬菌という真菌(カビ)が皮膚の表皮にある角質層に棲みつき、皮膚がカサカサ・ジクジクする、水疱ができる、かゆみといった症状が出る。日本人全体では約2500万人の患者がいるとされており、夏場に増える。

 また、白癬菌が爪に入り込み、爪が厚く変色する爪水虫も高齢者を中心に増加し、患者は約1200万人程度と推計されている。命にかかわる病気でないため大半が市販薬で治療するが、中には水虫以外の病気に水虫薬を使用し、かえって症状が悪化する例もある。帝京大学医学部皮膚科主任教授で同大医真菌研究センターの渡辺晋一教授に聞いた。

「本人が水虫だと思い、1週間以上薬を塗っても治らない場合は、湿疹など他の皮膚病の可能性があります。また爪水虫と誤診され、延々と経口抗真菌薬を服用している例もあります。水虫は皮膚科専門医で顕微鏡検査を受け、白癬菌の有無を確認してから治療を受けることが基本です」

 かゆみを訴える水虫患者は10分の1程度であるため、医療機関で治療を受ける患者はごく少ない。大半は自覚症状がないまま、白癬菌を家族や周囲にばらまいている。(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2011年7月22・29日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン