ライフ

酸っぱすぎず、甘すぎず、辛すぎずの絶妙「冷やし坦々麺」

『希須林青山』の「冷やし坦々麺」

 夏の間にできるだけやっておきたいこと――。いろいろあるが、冷やし中華はたくさん食べたい。『希須林青山』(東京・南青山)の絶品冷やし麺を、グルメ雑誌『アリガット』誌の元編集長・小川フミオ氏が紹介します!

 * * *
 冷水で揉んだ麺に、酸味とほのかな甘みのあるタレ。それに季節の具材。これこそ、日本で暮らす喜びだ。店ごとに個性があるのも食べ歩きを楽しくしてくれる。表参道の交差点という、日本でも有数の繁華街にある隠れ家的な名店『希須林(きすりん)』。

 ここの冷たい麺がうまい。北欧家具が並ぶ清潔な店内と、ていねいな接客、そしてやさしい味の料理にファンは多く、特に「冷やし坦々麺」のおいしさは夏バテしそうな体にしみ通るような一品だ。

 鶏ガラをベースに、練りゴマと芝麻醤(チーマージャン)と醤油で味つけしたタレ。そこに細麺と牛と豚の粗挽き、さらに豆苗(トウミョウ)と、中国版高菜漬けのような芽菜(ヤーツァイ)とカリッと揚げた桜エビがのる。さらに一味唐辛子、朝天(ちょうてん)唐辛子、そして四川山椒で作った麻辣醤(マーラージャン)がほどよい刺激に。酸っぱすぎず、甘すぎず、辛すぎず。バランスのよさは出色。

「毎シーズン、どんな冷麺を楽しんでいただくか頭をひねるんです」(遠藤義治料理長)というだけあって、夏のありがたさを感じさせてくれる、美味だ。

■『希須林青山』の「冷やし坦々麺」1300円

【住所】東京都港区南青山5-1-25 メゾンドラミア2F
【営業時間】11~15時(LO)、17時半~22時半(LO)。土日祝は11~22時半(LO)
【定休日】年末年始
【カード】可

 東京・阿佐ヶ谷で中華料理のシェフが店を開いたのがスタート。現在は5軒あるが、各店の独立性は高く、青山店は1993年に開店。冷やし坦々麺は青山店のメオリジナルメニュー。ランチは「日替わり(1050円)」や名物「黒酢酢豚(1680円)」を含めて種類が豊富。夜はコース(1人3500円)やアラカルトも楽しめる。

撮影■河野公俊

※週刊ポスト2011年9月2日号

関連キーワード

トピックス

次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン