国内

人事担当者「6+5×3=33」と答える就活生続出で不安になる

マイナビによる「12年卒企業新卒内定状況調査」によると、企業の採用活動の印象は「昨年より厳しかった」、「昨年並みに厳しかった」が約80%を占め、その理由の実に半数が「学生の質が低下したから」という回答を寄せた。中でも著しいのが、企業が大卒に求めていた「基礎学力」の低下だという。生命保険会社の採用担当者が語る。

「目立つのが誤字脱字。携帯やパソコンに慣れてしまっているせいか、漢字を書けない学生が多い。しかも、そうした誤字に気づかずメールを送ってくる。学力に加えて注意力も足りない」

食品メーカーの人事担当者も呆れを隠さない。

「四則計算もできないのには参りました。6+5×3というような簡単な計算でも、33と書く学生が多くいて“ウソだろ?”と我が目を疑いました(正解は21)。あまりにも多いから、自分の方が間違っているのかと不安になったくらいですよ」

そのくせ、面接などには強い、「就職活動に慣れた」マニュアル学生が増えていると語るのは、人材コンサルタント・常見陽平氏だ。

「就職活動だけやたら頑張った“就活のプロ”のようなタイプが増えています。企業研究もせず、手当たり次第に受けていくため、場慣れする。ところが、こうしたタイプは面接官から『君からわが社に質問はあるか』と逆質問を求められると全く対応できないのです」

学力はない、要領がいいように見えても突発的な事象には対応できない――。そうなると、わざわざ大卒にこだわる必要があるのかという疑問が浮かんでくる。

精密機器メーカーの採用担当者が嘆く。

「理工系学部なのに、分数の計算がわからないという学生が現実にいる。いくら大学名が素晴らしくても、数学などの基礎科目をやらせてみないと安心できないというのが本音です。

企業側も苦しく、採用してから育てるという余力なんてないところがほとんど。社会人マナーは教えていけば、最初は“1年目だから”と笑って済ませられるけど、学力は本人の努力がないと無理です。せめて大学で基礎的な学力だけでいいから身につけてきてほしいと考えています」

※週刊ポスト2011年10月28日号

関連記事

トピックス

長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
国民に「リトル・マリウス」と呼ばれ親しまれてきたマリウス・ボルグ・ホイビー氏(NTB/共同通信イメージズ)
ノルウェー王室の人気者「リトル・マリウス」がレイプ4件を含む32件の罪で衝撃の起訴「壁に刺さったナイフ」「複数の女性の性的画像」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン
ドバイのアパートにて違法薬物所持の疑いで逮捕されたイギリス出身のミア・オブライエン容疑者(23)(寄付サイト『GoFundMe』より)
「性器に電気を流された」「監房に7人、レイプは日常茶飯事」ドバイ“地獄の刑務所”に収監されたイギリス人女性容疑者(23)の過酷な環境《アラビア語の裁判で終身刑》
NEWSポストセブン