ビジネス

1ドル=360円まで下落してもおかしくないと藤巻健史氏分析

現在は史上空前の円高状態だが、本来ならば、20年もGDPが低迷している日本に投資が集中するなど市場原理が発達している国では信じられないと投資アドバイザーの藤巻健史氏は言う。現在の円高トレンドの大きな要因は「為替リスクを恐れるあまり、資金が日本国内に留まり、外に出て行かない」からだという。史上空前の円高に藤巻氏が警鐘を鳴らす。

* * *
崖崩れはいつ起きるのか。その合図は、「日本国債の未達」です。

国債の大半は毎月の入札によって販売されています。この入札で予定額が集まらず、さばききれないことを「未達」といいます。

日本は、いつ国債未達になってもおかしくありません。通常、経済成長を遂げている国では、成長に伴い個人金融資産が増えます。そのうちの何割かが銀行などの預金です。さらにその預金の何割かが国債購入に回ります。したがって経済が成長している限り、国債購入の新しい原資が生まれているということになります。

しかし日本は、この10年間、個人金融資産が増えていません。これでは新しい購入原資が生まれてくるはずがありません。

未達になったらどうなるでしょうか。

国債未達のニュースが流れれば、瞬時に国債先物市場は値幅制限まで下落し、ストップ安となるでしょう。現物債も急落(長期金利が急騰)します。同時に株の先物市場もストップ安をつけ、同じように値がつかぬまま数日間続くでしょう。同様に株の現物市場も急落します。これに伴い円も暴落します。

つまり、とどまるところを知らない「株・債券・円」のトリプル安が日本を襲うのです。そうなれば「円」は、固定相場制の時代の360円まで下落してもおかしくありません。

未達が起これば政府に必要なお金が集まらないことになります。足りないお金は日銀が紙幣を刷って国債を引き受けるという形をとることになるでしょう。そうなるとハイパーインフレです。

100万円の預金も、タクシーに数回乗るとなくなってしまいます。せっかく貯めたあなたの円資産も、暴落するということです。

つまり「株・債券・円」のトリプル安が日本を襲う前に、あなたの円資産を、別の場所に逃がさなければならないのです。

※『サラリーマンのための安心税金読本』(小学館)より

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン