国内

防災の専門家「富士山が噴火しないのがおかしい状況」と分析

<首都直下型M7級 4年内70パーセント>

東京大学地震研究所の平田直教授のチームが発表した衝撃的な数値が、読売新聞の見出しに躍ってからわずか5日後のことだった。山梨県東部富士五湖を震源とするM5級の地震が1月28日の午前7時44分から54分にかけて連発。最大で震度5弱を記録する揺れが2度も発生した。

これも首都直下型地震の前兆なのか、あるいはもっと別の災害の前触れか。武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏の口から出たのは、こんなシナリオだった。

「あの地震は首都直下型の地震というより、東海地震の前兆と考えられます。3.11の4日後に発生した静岡・富士宮での震度6強の地震と同じく、東海地震を食い止めている留め金のひとつが破壊されたものなんです」

島村氏がいう東海地震とは、政府や多くの専門家が東南海、南海との連動を危惧する巨大地震のひとつ。文献などによれば、684年に起きた白鳳地震を皮切りに、100~200年に1度のペースで発生している。その都度、隣接する東南海、南海という震源域で地震を連動させている。

近年では、地震と津波によって2万人もの死者を出したとされる1707年の宝永地震。死者3000人近い被害を出した1854年の安政東海地震がある。

立命館大学歴史都市防災研究センターの高橋学教授は、これまでにない大型連動の可能性を示唆する。

「東海地震が起こるといわれてもう30年くらいが経ちました。実は1944年に東南海地震と南海地震がすでに起きているのですが、このとき、これまでなら連動していたはずの東海地震が起こらなかった。

それは地震のエネルギーがため込まれた状態になっていることを意味します。もし東海地震が発生すれば、これまでにない大規模な地震が発生し、東南海、南海との3連動のみならず広島から豊後水道のエリア、奄美大島から沖縄にかけてのエリアも同時に動く可能性があります」

加えて、1月28日に発生した地震の震源に近い富士山にも危機が訪れている。

「3連動地震の発生と富士山の噴火が同時期に起こるというのは、地震研究者にとってはほとんど常識です。1707年の宝永地震の際には、発生から49日後に、富士山が爆発しました。安政東海地震は例外的に噴火はありませんでしたが、もう宝永地震から300年以上も経っている。噴火しないのがおかしい状況です」(前出・高橋氏)

※女性セブン2012年2月16日号

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