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激しい寒暖差による「ヒートショック」 年間約1万人が死亡

 とにかく寒い今年の冬。“最強寒波”などといわれ、豪雪による被害も心配されるが、この時期に体調を脅かすのが“ヒートショック”である。高齢者医療に詳しい在宅クリニック院長・小澤竹俊氏はこう説明する。

「ヒートショックとは、温かいところから寒いところへ移動した際、あるいはその逆の場合、血管が急激に縮まったり広がったりして、血圧や脈拍が大きく変動するなどのことを指します。寒さが厳しくなってきたいまの時期、まったく暖房がはいっていないトイレや風呂場などへ行った際、ゾクゾクッと急激に寒さを感じます。こんなとき、場合によっては、心筋梗塞や脳血管障害などを引き起こすこともあります」

 実際、日本では年間に1万人以上がヒートショックによって死亡しているといわれている。その中でも特に多いのが高齢者だ。

「高齢者は血管が弱くなっていることが多く、血圧の上昇下降の振幅が大きいので、脳出血などを引き起こしやすいのです。また、高血圧や糖尿病、動脈硬化、不整脈のある人などもよく注意しておく必要があります。私は在宅医療で高齢者の家を訪問することが多いのですが、家庭内で亡くなる高齢者の4人に1人はヒートショックが影響しているといわれています」(前出・小澤氏)

 例えば、入浴中にヒートショックを引き起こし、そのまま溺死するケースなどが挙げられる。この危険を避けるためには、家の中の各部屋の寒暖差をできるだけ少なくすることであり、また心臓に疾患のある場合は、各部屋をできるだけ暖かく保つことも重要といえる。

※女性セブン2012年2月23日号

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