国内

大阪府警視「市橋達也は性根の入った逃亡者やった」の感想持つ

 オウム逃亡犯・平田信の出頭は、一般社会に大きな衝撃を与えた。出頭してきた逃亡犯を追い返すという、許され難い失態を犯した警視庁。平田が潜伏していた大阪府警の幹部も臍をかむ。以下、作家の山藤章一郎氏のリポートだ。

 * * *
 昨年の大みそか、夜8時30分ころ。〈オウム〉事件で指名手配されていた平田信(46)は新大阪駅からの新幹線を品川駅で降りた。黒のダウンジャケットに白のニット帽、マスクの姿は、両駅の監視カメラに鮮明に捉えられていた。

 全国の駅構内の監視カメラは5万6000台。警察が町に設置しているカメラは、540台。顔写真で覚えた被疑者を雑踏の中から見つけ出すアナログの〈見当たり捜査〉が好成績をあげている一方で〈科学の目〉も激増している。しかし、大阪府警刑事部捜査共助課次長・丸尾圭司警視は「けどな」という。

「科学捜査も監視カメラも当然必要です。そやけどな、蒸発型、捜しようのない被疑者、これはもう科学で捕まえることは出来ん。年間何百人検挙するうち、素直な被疑者ばっかりやない。

 嘘つく、偽造の身分証明書、運転免許証を見せる。ほんまはヤマダやのに『わし、タナカでんがな』と言い張る。こんな奴に、監視カメラは役に立たん。変装でカメラを騙せても、目ん玉を記憶しとる私らに嘘は通じん。

 ほかの捜査員やが、休みの日、タコ釣りの帰り、隣を走っとる運転手の顔をたまたま見た。あっ、石川県警から指名手配のまわっとる奴とちゃうか。車のナンバーから割って、3日後にパクった。

 休み以外は、ミナミやキタを毎日、現場歩きですわ。立ち飲み屋いっぱいある。風で暖簾がぴらっとこう開く、パッと奥がのぞいた。あっ、あの目ェ。あの目ェがおるぞ。一杯飲んどる。出てきたとこを検挙!

 この辺りは市橋達也もおったんやが、残念ながら〈見当たり〉にはひっかからんかった。アレはヤワな窃盗犯や詐欺師と違うて、性根の入った逃亡者やった」

※週刊ポスト2012年3月2日号

関連キーワード

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン