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ブルーライトによる睡眠の質の低下に睡眠障害の研究者が警鐘

杏林大学医学部の古賀良彦教授

 3月18日の「世界睡眠デー」を前にした3月15日、アイウエアブランド「JINS」を展開するジェイ・アイ・エヌが主催したセミナーで、専門家は「ブルーライトが“睡眠の質”を低下させる可能性がある」と、警鐘を鳴らした。

 ブルーライトとは、パソコンやスマートフォン(以下、スマホ)、薄型テレビなどのデジタル機器のモニターが発する光に含まれる青色領域の光のこと。最近では、仕事をもつ20~50代女性が、それらのデジタル機器を使用する時間は、1日平均約11時間と、1日の約半分になるという。その際に目が受ける“ブルーライト”が、多くの女性が潜在的にかかえている軽度・短期の不眠症、さらにはプチ不調の原因かもしれないのだ。

■睡眠の質の低下が仕事や美容に悪影響

 睡眠の質の低下について杏林大学医学部で、睡眠障害などを研究している古賀良彦教授は、こう解説する。

「現代女性の多くは、就寝時間が不規則で、寝付きが悪く、眠りも浅い。起きたときに『よく寝た』と思えないなど、睡眠に関する悩みを抱えています。しかし、『毎晩ではないから』、『休日に“寝だめ”するから大丈夫』と、治療はせずに放置しがち。

 しかし、このように睡眠の質が低下すると、仕事中に集中力や作業効率が落ちたり、ストレスを感じたりするだけでなく、太りやすくなり、肌荒れなど、美容へのダメージも生じます」

■目と脳を疲れさせるブルーライト

 睡眠の質が低下する原因のひとつとして、最近注目されているのが、“ブルーライト”。光の中でも波長が短く、紫外線に近い範囲の光のことをいう。南青山アイクリニックの副院長・井手武氏は、ブルーライトと目の疲れについてこう話す。

「パソコンやスマホなどのモニターが発する光には、ブルーライトが非常に多く含まれています。ブルーライトは、空気中で散乱しやすく、目に映る像をボケさせるという特徴がありますから、モニターを見るときに、まぶしさやボケを感じやすくなるのです。

 またボケやすい像を見るときは、目にはピントを合わせるために、大きな負荷がかかります。また、脳も見えている像を補正しようとしてストレスを感じ、疲れやすくなると考えられます」
 
 目に入るブルーライトを低減するのに有効なのは、「淡黄色のレンズ」。黄色は青と補色関係にあるため、目に入るブルーライトの量を低減し、目を守ることができるというのだ。

「ブルーライトは太陽光にも含まれていて、体や意識を覚醒させ、体内時計を調整するという役割がありますから、完全にカットする必要はありません。パソコンやスマホなどを長時間、あるいは夜間にも使用する場合には、目に負担のかけない明るさと色バランスのとれたレンズで、目に入るブルーライトをバランスよくカットする習慣をつけることが大切なのです。

 その際に重要なのは、明るさと色バランスが保たれているレンズを選ぶこと。単にレンズの色が濃いだけだと、視野が暗く感じられたり、他の色を識別できなくなるなど自然な見え方ではなくなって、かえって目が疲れてしまいます」(井手氏)

■“ブルーライト”カットで安眠&目覚めすっきり

 前出の古賀教授は、デジタル機器の使用と睡眠の関係に着目し、20~30代女性を対象に、ある実験を行なった。実験では、参加者全員が寝る前1時間、スマホを使用する。その際、ブルーライトを約50%カットする機能をもったメガネ『JINS PC』と、素通しのメガネを2日間ずつかけ、それぞれの睡眠の質などを比較するというもの。

「『JINS PC』でブルーライトをカットしたときに比べ、素通しのメガネを使った夜は、続けて眠れない、つまり質の良い睡眠が長続きしない人が多いという結果が示されました。翌朝の状態を見ても、『JINS PC』を使った朝はスムーズに活動を始められますが、素通しメガネでは、活動するまでにかかる時間が長くなる傾向がありました。

 参加者へのアンケート調査では、ブルーライトを目に直接受けた夜は寝付きが悪い、朝起きるのがつらい、疲れが残っている、クマができたという回答がありました。

 研究者としてもブルーライトが睡眠にここまで大きな影響を与えている可能性があるとは、予測していませんでした。睡眠の質は、眠りそのものだけでなく、日中の活動にも大きく影響しますから、デジタル機器やブルーライトとのつきあい方を考えることが、睡眠の質の改善、ひいてはプチ不調の改善につながるかもしれません」(古賀教授)

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