ライフ

母校の東大合格者数を自慢する上司や先輩への大人の対処法

 毎年この時期の週刊誌特集記事で恒例なのが、「全国高校ランキング」。母校が東大に何人入ったとか、エリートオヤジの自慢話に花が咲く。イラッとするそんな人にどういう姿勢で臨めばいいのか。大人力コラムニスト・石原壮一郎氏の「ニュースから学ぶ大人力」。今回のテーマは「出身高校の東大合格者数を自慢するヤツに大人のやさしさを示す」です。

 * * *

 また新年度が始まりました。この時期の週刊誌をにぎわすのが、東大合格者数高校ランキングを初めとする「高校別の難関大学合格状況」の記事です。

 そこそこ満ち足りた毎日を送っている社会人にとっては、とくに興味がわく内容ではありません。しかし、中途半端に名門と呼ばれる高校を出た誇りを何歳になっても忘れず、しかも現在の状況や社内的な立場が、持ち前のプライドの高さに追い付いていないタイプにとっては、ひじょうに重要な意味を持ちます。

 去年は一桁だった東大合格者数がギリギリ二桁になっていたりすると、もうたいへん。聞いてもいないのに「ウチの高校、今年はがんばったみたいでさあ」と、ちょっとテレ臭そうにその話題を持ち出してきます。極めてどうでもいい話ですが、本人にとっては切実な意味を持っているだけに、大人としてせいいっぱいやさしく対応してあげたいところ。

「今の状況に不満なのはわかるけど、卒業して何十年も経つ高校を引き合いに出してきて自分の値打ちを少しでも上げようとするのは、あまりにも悲しすぎるぞ」

「他人にとっては無意味な過去の栄光に、いつまですがりついているんだ。しかもお前は、東大卒でも何でもないじゃないか(東大卒の人はこの手の話はしません)」

 言うまでもなく、こうした本音は絶対に口に出してはいけません。世の中でもっとも残酷な行為は、図星を突くことです。

 相手は、遠い遠い後輩たちの実績の威光を借りて「俺のスゴサをもっと認めろ!」と言いたいわけなので、そこをくすぐってあげましょう。その手の自慢をしてきたら、すかさず「やるじゃないか! お前、そんな名門の出身だったのか」と返します。さらに、

「関係ないかもしれないけど、お前のこと、ちょっと見直したよ」

 と言ってあげれば、後半の都合のいい部分だけ受け取って、深く満足してくれるはず。

 その困った輩が上司や先輩の場合は、「前々から只者じゃないとは思ってましたが、やっぱり違いますね」などと返しておけば、思いっきり舞い上がってくれるでしょう。

 客観的には、むしろバカにしているように見えそうです。もちろんそうなんですけど、すっかり有頂天になっている当人は、そんな回りくどい意図には気づきません。「母校の勢いに後押しされて、○○も今年度はいいことがありそうだな」ぐらいの明らかに根拠がないことを言っても、素直に「そうかもしれない」と納得してくれるでしょう。

 念入りに喜ばせてあげるのは、やさしい気持ちからだけではありません。人間がいかに単純で愚かで悲しい生き物であるかを目の当たりにして、反面教師にさせてもらうためでもあります。ま、人様のことを表面的にはおだてながら心の中でバカにしている自分だって、お世辞にもご立派な人間とは言えませんが、そこは都合よく目をそらしましょう。

あわせて読みたい

トピックス

年越しはイスタンブールで過ごした渚さん(Instagramより)
「生きてみるのも悪くない、とほんの少し思えた」 渡邊渚さんが綴る「年越しを過ごしたイスタンブールの旅」
NEWSポストセブン
総選挙をきっかけに政界再編が大きく進むか(時事通信フォト)
《解散総選挙・政界大再編の胎動》自民も立憲も国民も分裂か “高市首相を中心とした急進保守勢力”と“自民党の穏健保守を含む中道・リベラル勢力”に大きく分かれていく流れ
週刊ポスト
再選を果たした小川晶氏(時事通信フォト)
ラブホ密会辞任の小川晶氏、前橋市長選に再選 オバ記者が気になったのは“やたら支持者とハグしていたこと”「地方の年配者は“オレに抱きついてきた”と勘違いしないかしら」
女性セブン
Netflixドラマ『地獄に堕ちるわよ』にて細木数子さん役を演じる戸田恵梨香(時事通信フォト)
《出産から約3年》女優・戸田恵梨香の本格復帰が夫婦にとって“絶妙なタイミング”だった理由…夫・松坂桃李は「大河クランクイン」を控えて
NEWSポストセブン
高市早苗・首相と政策が近い保守政党が自民党の“反高市”候補に刺客を立てる可能性も(時事通信フォト)
《政界再編のきっかけとなる総選挙》保守政党が自民党内の“反高市”候補に刺客 高市首相を中心に維新、参政、日本保守党などが新たな保守勢力結集に向かう動き
週刊ポスト
月曜夜に放送されているフジテレビ系『ヤンドク!』(インスタグラムより)
《元ヤンキーの女性医師も実在!?》『ヤンドク』『夫に間違いありません』『パンチドランク・ウーマン』、テレビ局が“実話ベースのオリジナル”を制作する事情 
NEWSポストセブン
宮崎あおいと岡田准一の円満な夫婦仲(時事通信)
《女優・宮崎あおいと4児の子育て》岡田准一「週6ジム通い」の柔術ライフを可能にする“夫婦円満”の秘訣
NEWSポストセブン
佐藤輝明とはいえ“主力”で起用されるとは限らない
《WBC侍ジャパン》阪神・佐藤輝明の不安要素 控え起用が濃厚で、前回大会の山川穂高や牧原大成と重なる立ち位置 憧れの大谷翔平から“どんな影響を受けるのか”も重要に
週刊ポスト
中国のインフルエンサーであるチョウ・ユエン(46)(SNSより、現在は削除済み)
「カラダでX字を描くの」 “性教育の達人”中国美熟女インフルエンサーが5億円超を稼いだ“過激セミナー”の内容とは《性産業を取り巻く現地の厳しい環境》
NEWSポストセブン
ガールズバー店長の鈴木麻央耶容疑者(39)とその右腕、田野和彩容疑者(21)
【写真入手】「1週間おなじ服で、風呂にも入らせずに…」店員にGPS持たせ売春、性的暴行も…ガルバ店長・鈴木麻央耶容疑者(39)の「“裸の王さま”ぶり」
NEWSポストセブン
フリースタイルスキー界のスター、アイリーン・グー選手(時事通信フォト)
《腹筋ビキニ写真が“完璧すぎる”と評判》年収35億円の中国美人アスリート(22)、“キス疑惑密着動画”で〈二面性がある〉と批判殺到した背景【ミラノ冬季五輪迫る】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市「改憲」爆弾と「石破茂中道入り」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市「改憲」爆弾と「石破茂中道入り」ほか
NEWSポストセブン