ライフ

実は、がんよりもインフルエンザの方が怖い病気と医師が解説

 およそ1500年前、中国より伝来した“漢方”。それがいま、女性たちが抱える“なんとなく不調”に効果ありとして注目を集めている。冷えやむくみ、イライラ、更年期障害にまでいいという。だが、そもそも漢方とは何なのか? 日本東洋医学会会長の石川友章さんは次のように語る。

「漢方が中国から日本に伝来したのが約1500年前。それから日本の風土・文化・体質に合うように、また日本人にいちばん適すように工夫され、現在の漢方治療のスタイルになりました。病気は患者ひとりひとりで違います。漢方の診察で、舌や脈やお腹を診て、その人に合うお薬を出すというシステムが、この腹診を中心とした日本独自の診察方法です。また、現在使用している処方はざっと1600種類もあります」

 長い歴史をもつ漢方だが、その効果や効き方などに疑問を持つ人も多い。

「同じ症状でも江戸時代と現代では病名が異なっていますが、『傷寒論』など中国の漢時代の文献には病気の変遷とその治療法が詳しく書かれています。このように、歴史の中で数多くの人々が使用し、効果のあったものだけが現在も残っているわけですから、それも“効く根拠”のひとつといってもいいでしょうね」(石川さん・以下同)

 漢方が得意な疾病を石川さんが教えてくれた。

「実は、がんよりもインフルエンザのほうが怖い病気なんです。インフルエンザは6時間で死に至ることもある。しかし、がんの場合は、ステージによりますが、すぐ死ぬわけではありません。その間に食事などに養生法や漢方薬などをとり入れ、状態を改善することが可能なのです。実際に末期の大腸がんや胃がんが治癒したというケースもあるほどです」

 日本で独自に発達した漢方は、アジアの伝統医学を特集した米誌『ネイチャー』のなかで、“日本の漢方薬は成分が一定で西洋医学と統合しやすい”と紹介された。アメリカでも注目されていることがわかる。

「ヨーロッパでは積極的に鍼治療が取り入れられていて、漢方にも理解が深い。ドイツやスペインなどでも日本の漢方がよく効くことが知られています。日本漢方の国際学会も作られ、昨年はミュンヘンで、次はロンドンで学会が開かれます」

※女性セブン2012年4月26日号

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン